更新日:2024/9/6

母乳が出ない原因はなに?栄養たっぷりの母乳を増やすためにできること【助産師執筆】

母乳が出ない原因はなに?栄養たっぷりの母乳を増やすためにできること【助産師執筆】
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赤ちゃんを「母乳で育てたい!」と思うママは多いですよね。

厚生労働省の調査によると、妊娠中に出産後1ヶ月間は母乳で育てたいと考えていた人は約68%と、多くのママが母乳育児を希望しているのがわかります。

参考:厚生労働省 平成27年度乳幼児栄養調査

しかし、大切な我が子だからこそ、栄養たっぷりの母乳をあげたいと思うがために、「母乳が出ない・・・」「母乳が足りない」と悩むママも多いのです。

今回の記事では母乳が出ない原因を解説するとともに、栄養たっぷりの母乳を増やすためにできることについて紹介していきます。

◉この記事でわかること
・母乳が出ない原因にはなにがある?
・出産後に母乳が出るしくみと母乳の種類
・栄養たっぷりの母乳を増やすためにできることはなに?

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

母乳が出ない原因ってなに?

母乳で赤ちゃんを育てていきたいと思っている人にとって「自分の母乳が出ない」と思うととてもつらいですよね。母乳が出ない原因を知ることで考え方を変えたり、その原因を解消したりと母乳が出るようにケアしていくことができます。

まずここでは母乳が出ない原因について解説していきます。

出産直後すぐに出なくても大丈夫

「母乳は出産したらすぐに出る」と思ってはいませんか?

実は母乳は、出産直後に突然たくさん出てくるわけではありません。出産後に赤ちゃんがおっぱいを吸うことで母乳をつくり出すホルモンが分泌されるようになり、徐々に母乳の分泌が増えていくものです。

※母乳が出るしくみについてはこちらで詳しく解説しています。

母乳の分泌は、出産直後はにじみ出るくらいの量から始まり、赤ちゃんにおっぱいをたくさん吸ってもらうことで産後2〜3日目くらいから乳房のあたたかみや重さを感じ、分泌が増えていきます。赤ちゃんが飲む量とママの母乳の分泌のバランスが安定してくるのは、だいたい1ヶ月くらいかかります。

だし、母乳がよく出るようになる時期はとても個人差が大きく「◯日目になったら出る!」という基準はありません。あくまでも目安として参考にしてください。

おっぱいを吸う回数が少ない

母乳をつくり出すためには赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激が必要になります。赤ちゃんがおっぱいを吸う回数が少ないと母乳をつくり出すホルモンの分泌も増えないため、母乳が出ない原因となります。

特に出産後、早い時期に赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで母乳の分泌を促すことができます。

「まだ母乳が出ないから吸わせない」と考える方もいますが、最初は出ないのが当たり前。赤ちゃんに吸ってもらうことで出るようになるので、母乳が出る出ないは関係なくたくさん吸ってもらいましょう

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特に出産後2日目までの吸啜(きゅうてつ)刺激は大切!

おっぱいのみで過ごしている多くの赤ちゃんは生後0日目は寝る子が多いですが、生後1〜2日目になると頻回に起きてくる子が多いです。そのときに赤ちゃんが欲しがるだけ何度もおっぱいを吸わせてあげることでホルモンがたくさんつくられるようになり、母乳の分泌も増えやすくなります

出産直後はママも疲れて大変な時期ですが、無理のない範囲で赤ちゃんにたくさんおっぱいを吸ってもらいましょう。

水分が不足している

母乳の成分の約88%は水分であり、ママが水分を摂取することで血液に吸収され、その血液をもとにして乳腺で母乳がつくられています。赤ちゃんが1日に摂取する母乳の量は出生後増加していき、母乳の分泌が安定する1ヶ月ころには600〜1100mlくらいといわれています。

ママのカラダの中では母乳のためだけではなく、授乳していないときと同様の水分も必要になります。そのため授乳中はいつも以上に水分の需要が高まるのです。

食事が不足している

母乳はカラダの中でママのエネルギーをもとにつくり出しています。ママのエネルギーはママが摂取する食事から補給する必要があるので、食事が不足していると母乳をつくり出す機能も低下してしまいます。

産後のダイエットのためといって炭水化物を抜いてしまうと、エネルギー不足になってしまうので注意が必要です。

ママが貧血になっている

母乳はママの血液をもとにして乳腺でつくられています。そのため、乳腺に流れる血液の量が不足するとつくられる母乳の量も少なくなってしまいます。特に産後のママは出産時の出血によって貧血になりやすい傾向にあります。

肩甲骨付近が凝り固まっている

肩甲骨付近が凝り固まっている人は、胸や背中周りの血液の流れが悪くなっている方が多いです。

母乳は乳腺に血液が流れてつくられるもの。凝りやすい体質の人はカラダの血液の流れが悪くなりやすいことで、母乳がつくられにくくなることもあります。

ママが疲れている

疲労も母乳が出ない原因になります。ママの疲労は出産や育児でどんどんとたまっていきます。また、カラダの疲れだけでなく、慣れない育児によってストレスを感じココロも疲れていきます。

カラダとココロが疲れることで、母乳をつくり出すために必要なホルモンが分泌されにくくなってしまうこともあるのです。

のように、母乳が出ない原因はさまざま。これらの対策法を先に知りたい人はこちらからどうぞ!

そもそも母乳が出るしくみって?

出産前には出ないのに、出産後から出るようになる母乳。母乳が分泌されるようになるのは、ママのカラダの中でホルモンが大きく変動しているからなのです。

ここでは母乳が出るしくみについて解説していきます。

妊娠中のおっぱい

妊娠中は出産後に母乳をつくるために「プロラクチン」というホルモンが分泌され、乳腺(おっぱいの中にある母乳をつくる組織)を発達させていきます。発達した乳腺によって出産後に母乳がつくられ、赤ちゃんの栄養となります。

妊娠中は乳腺を発達させて産後に赤ちゃんへ母乳をあげる準備をしていますが、母乳自体の分泌はほとんどありません。妊娠中には妊娠を維持するためのホルモンである「プロゲステロン」が分泌されますが、プロゲステロンは同時に母乳の分泌をおさえる作用もあります。そのため妊娠中には母乳の分泌が行われないようになっています。

だ、出産が近くなる妊娠後期になると乳腺が十分に発達し母乳を分泌する準備が整うため、乳頭を刺激するとごく少量の母乳が出てくることもあります。

出産後のおっぱい

赤ちゃんが生まれるとお腹の中で10ヶ月間酸素と栄養を送っていた胎盤は不要になり、赤ちゃんが出た後に自然と剥がれ出ます。すると妊娠中に分泌されていたプロゲステロンの分泌が急激に低下し、母乳の分泌をおさえる作用もなくなり、ママのカラダで母乳を出す準備が整います

た、生まれた赤ちゃんがおっぱいを吸うことで刺激を受け、脳下垂体からはさらに母乳をつくるホルモンである「プロラクチン」と、母乳を乳腺から外へと押し出すホルモンである「オキシトシン」が分泌されるようになります。

プロラクチンとオキシトシンは赤ちゃんがおっぱいを吸えば吸うほど、どんどんカラダの中で分泌が増えていき、母乳が出るようになっていきます。

母乳の変化

母乳は段階的に「初乳」→「移行乳」→「成乳」へと変化していきます。

初乳

透明で成乳に比べると少しとろみのある母乳です。

妊娠中からごくわずかに分泌され始め、多くは産後2〜3日目まで分泌されます。

初乳は成乳に比べてエネルギーが少なく、糖質や脂質も少ないですが、ミネラルや免疫物質を含むタンパク質が多く入っています。初乳は分泌量は多くはありませんが、生まれて間もない赤ちゃんにママの免疫を渡してくれる大事な母乳です。

また、初乳は特に赤ちゃんにとって消化しやすく生まれてすぐの消化機能が未熟な赤ちゃんのお腹にも優しい成分でできています。

移行乳

初乳が成乳へと変化していく間に分泌される黄色〜クリーム色の母乳で、産後2〜3週目ごろまで分泌されます。

カロリー、脂肪、糖質が多くなり始めていますが、免疫成分もたくさん含んだままなので、急速に成長していく生後28日目までの新生児期の赤ちゃんにぴったりの母乳です。

成乳

白いサラサラとした母乳です。

初乳と比べるとタンパク質はやや少なくなり、カロリーと脂肪、糖質を多く含むようになります。生まれた赤ちゃんのカラダを成長させ、体重を増やしやすいように母乳の成分は変化していきます。

た、母乳は大きく2つに分かれていて、授乳の初めの方の母乳は水分と糖質が多い前乳授乳の後半には脂質を多く含む後乳が出るようになります。前乳よりも後乳の方がより赤ちゃんの体重増加につながります。

考文献:Breastfeeding and Human Lactation 3rd edition

母乳は栄養と免疫がたっぷりで「天然のワクチン」とも言われるほどです。

こちらの記事では母乳の栄養と免疫について詳しく解説していますのでご覧ください。

母乳はいつまであげればいい?栄養と免疫に注目して解説

母乳をいつまであげればいいのかは明確な決まりはありません。そこで卒乳や断乳の時期を考える参考にしてもらうために、母乳の栄養と免疫に着目して説明します。多くのママが断乳を考える時期もあわせて紹介しています。

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栄養たっぷりの母乳を増やすためにできること

母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源になります。赤ちゃんに栄養たっぷりの母乳を届けるために、母乳の量を増やしていきたいですよね。

ここでは母乳を増やすためにできることを紹介していきます。

おっぱいに刺激を与える

母乳は赤ちゃんに吸ってもらうことでプロラクチンとオキシトシンの分泌が高まり、安定して出るようになります。逆におっぱいへの刺激が少ないとプロラクチンとオキシトシンの分泌は低下し、母乳が出なくなってしまいます。

母乳を出すには赤ちゃんに吸ってもらう吸啜刺激が最適です。赤ちゃんが欲しがるだけたくさんおっぱいを吸ってもらいましょう

乳頭の形によってはなかなか赤ちゃんが吸い付くのが難しいこともあります。そんなときには自分で乳頭をつまんだり引っ張ったりするだけでも刺激になるのでいいですよ。乳頭を刺激するときには赤ちゃんの近くで行うと、オキシトシンがより分泌されやすくなるのでおすすめです。

少しでも長くカラダを休める

出産後のママは出産時の疲労だけでなく、昼夜問わず赤ちゃんのお世話で睡眠不足になりがちです。

昼間でも赤ちゃんが寝ているときには一緒に睡眠をとったり、赤ちゃんを見てくれる人がいるときには赤ちゃんを少し預けてリフレッシュしたり、ママのリラックスできる時間を確保することも大切。

ママがココロもカラダもリラックスすることで、しあわせホルモンであるオキシトシンはより分泌されやすくなり、母乳の量も増えていきます

食事や水分をしっかり摂取

母乳はママが摂取した食事と水分をもとにつくられています

母乳をつくるためにはエネルギーが必要になるため、授乳中にはいつもより350kcalを付加して食事を摂取することが推奨されています。また、出産後は貧血になりがち。鉄分を多く取ったり、鉄分を吸収しやすくする栄養を意識的に取ったりすることも大切です。

えて、授乳期の水分摂取の目標は1日2リットル〜2.5リットルです。特に夏場は汗からも水分が失われていくので意識して水分を摂取するようにしましょう。

カラダの循環をよくする

母乳をたくさんつくるためには、血液が乳腺に十分に流れていく必要があります。そのためにはカラダの循環をよくすることがポイントです。特に肩甲骨付近の循環をよくすることで母乳がつくられやすくなります。気がついたときに肩回しをしたり、肩甲骨付近をあたためたりするといいですよ。

カラダが冷えると血液の流れは悪くなるので、肩甲骨付近だけでなくカラダ全体を冷やさないようにすることも大切です。

サプリメントで栄養を補給する

出産後のママは赤ちゃんのお世話で疲労困憊・・・そんな中、食事に気を遣うのはとても大変ですよね。そんなときは毎日の食事にサプリメントをプラスするだけで、授乳中に必要な栄養を補給してママのカラダを整え、栄養たっぷりの母乳をつくるサポートになります。

授乳中は母乳のもととなる血液をつくるのをサポートしてくれる鉄分や葉酸、鉄分や葉酸の吸収をサポートするビタミンCを十分に摂取していきたいですね。


授乳中のママのカラダに特化したサプリメントmamaco(ママコ)は、鉄分葉酸ビタミンCはもちろん、その他にも授乳中のママが積極的に摂取したい栄養がたっぷり配合されています。

例えば赤ちゃんの骨を丈夫につくるために欠かせないカルシウムやビタミンD赤ちゃんの脳や神経の発達に必要なDHAもしっかり配合。いつもの食事にmamacoをプラスするだけで、母乳をつくりだすのに必要な栄養を手軽に補給できますよ。

さらに疲労困憊のママにうれしい、疲れをケアしてくれる高麗人参やなつめ、タンポポなどの和漢成分も配合しています。和漢成分はカラダの循環をよくするサポートにも役立ちますよ。

mamacoは、忙しい毎日を送る授乳中のママの強い味方。ママ自身と赤ちゃんの健やかな成長のために、ぜひ今から取り入れてみてくださいね。

まとめ

今回の記事では母乳が出ない原因を解説するとともに、栄養たっぷりの母乳を増やすためにできることについて紹介してきました。

ちゃんの大切な栄養源である母乳は、ママの摂取する水分や栄養をもとにしてつくられています。栄養たっぷりの母乳を増やすためには、ママの栄養をしっかり摂ることも必要不可欠。

授乳中のママの強い味方、mamacoにはこの時期に摂取したい栄養素がたっぷり配合されています。mamacoを上手に活用して、栄養たっぷりのよく出る母乳をつくっていきましょう。

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