2025-09-02
リポソームとは?4つのメリットやどんなところで使われているかを解説

美容や健康のアイテムを検索していると、「リポソーム」という言葉を目にすることがありますよね。体にいいものなのだろうけど、何かはよく分からないという方も多いでしょう。
そこで、リポソームとはどんなものか、発見された経緯なども含めて、詳しく解説します。リポソームの4つのメリットや、どのようなところに使われているか、リポソームと間違えやすいものについても紹介します。
リポソームという言葉を見聞きしたことがある方も、初めて知る方も、本記事を参考にして、リポソームを毎日の健康に生かしましょう。
この記事に登場する専門家

かんない駅前眼科クリニック院長
福永 ひろ美

Webライター
木原かおる
- コスメ薬機法管理者
- 薬機法医療法広告遵守個人認証(YMAA)
- 景品表示法・特定商取引法広告遵守個人認証(KTAA)
そもそもリポソームとは何?
リポソームとはリン脂質でできた小さなカプセルのことを指します。リン脂質は細胞膜の構成成分となるなど、人間の体にとって重要な成分です。
リン脂質は水になじむ部分となじまない部分を持っており、同じ部分が向き合う性質があります。リン脂質が同じ部分を向き合わせて集まってできるカプセル構造がリポソームです。
1964年にイギリスの科学者によって発表されたもので、リポソームはギリシャ語で脂肪を意味する「lipo」と体を意味する「soma」を組み合わせた言葉です。
最初は生体膜のモデルとして用いられていましたが、中に薬剤を包むという使い道が見つかり、薬剤を届けるためのドラッグデリバリーシステムとして活用されるようになりました。
リポソームの4つのメリット
リポソームとはリン脂質でできた小さなカプセルなので、中にさまざまな物質を包むことができます。
単に中の物質を守るだけでなく、カプセルの作り方を工夫することで、成分の放出時間をコントロールしたり、届けるのが難しい場所へ届けたりすることも可能になるのです。
ここでは、リポソームの4つのメリットを紹介します。
成分を狙った場所へ届けられる
口から取り入れる場合でも、注射を打つ場合でも、血液に取り込まれた成分は全身に広がってしまいます。しかし、リポソームの設計を工夫して成分を包めば、狙った場所に成分を届けられるのがメリットです。
例えば、正常な組織では血管の細胞がびっしり並んでいますが、炎症などを起こしている組織では密ではなく、隙間があります。
そこで、リポソームのサイズを小さく調整することで、隙間を利用して炎症などを起こしている組織に成分を集めることができるのです。逆に正常な組織では血管の細胞に隙間がないので、リポソームは入り込みにくくなります。
また、細胞にはさまざまな物質を受け取るための受容体があり、目印があるものだけを細胞内へ通します。そこで、リポソームに目印になるものを付けて作ることで、受容体を欺いて、細胞内へ物質を届けることが可能です。
成分を少しずつ放出できる
医薬品の場合、血中の薬剤濃度を維持することが重要となりますが、薬剤はどんどん分解、代謝されてしまうので、血中の濃度は時間と共に下がります。
しかし、リポソームで包めば、中の成分を少しずつ放出することが可能です。リポソームを構築する成分を工夫する他、リポソームは何層にも重ねて作る方法もあります。
少しずつ放出することで血中の濃度を維持できれば、何度も成分を取り入れる必要がなくなるので、使用回数や医薬品の副作用を減らすことにもつながります。
さまざまな成分を包める
幅広い種類の成分を包めることもリポソームのメリットの1つです。単層のリポソームの場合、カプセル内は水となじみやすいので、水性の成分を配合するのに向いています。
例として、皮膚は細胞とその間を埋める細胞間脂質で構成されているので、水性の成分はそのままでは通りにくいです。しかし、水性の成分をリポソームに包むことで、皮膚に入り込みやすくなります。
また、リポソームには油性の成分も配合できます。単層のリポソームの場合だと、カプセルの壁の中は油となじみやすくなるため、油性の成分を保持できるのです。
成分を安定して包める
中の成分を守り、安定して包めることもリポソームの利点です。人間の体には健康に影響を与えないように、外部から異物が入り込こんでも分解する仕組みが備わっています。単純に成分を取り込んでも、分解されてしまい、成分として働かないことがあるのです。
しかし、リポソームで包むことで、物理的に中の成分を守ることができます。また、体内で分解されないような目印をリポソームに付けるなど、分解する仕組みを回避するような調節も可能です。
身近なところでも使われているリポソーム
リポソームは既にさまざまなところで用いられています。最初は医薬品のドラッグデリバリーシステムとして活用が始まりましたが、化粧品やサプリメントでもリポソームを活用した製品が登場しています。
医薬品
リポソームが最初に活用されたのは、医薬品の領域です。
多くの方になじみがあるのが、新型コロナウイルスのRNAワクチンでしょう。ワクチンにはウイルスの設計図の一部であるRNAが入っており、体内でウイルスのたんぱく質を作り、免疫を発生させます。RNAは非常に壊れやすいため、リポソームで包むことで、体内へしっかり届けられるように作られているのです。
他の薬でもリポソームは用いられています。日本では、加齢黄斑変性症治療薬や抗真菌薬、抗がん剤など、リポソームを用いた薬が4種類承認されています。海外ではもっと多くの薬があり、日本で用いられるものも増えていくでしょう。
化粧品
化粧品にもリポソームの技術は用いられています。リポソームの配合に積極的に取り組んでいるメーカーの1つがコーセーです。1984年から研究をスタートしており、コスメデコルテブランドで製品化されている他、研究成果の発表なども精力的に行っています。
富士フイルムもリポソームに取り組んでいるメーカーの1つで、化粧品にリポソームを用いた成分を配合しています。富士フイルムは医薬品部門も抱えているので、医薬品領域で培ったリポソームの知見を生かせることも強みでしょう。
ちなみに、リポソームを構成するリン脂質は、化粧品でも乳化剤などとして用いられる成分でもあります。
サプリメント
サプリメントでも、リポソームを用いた原料が使われるようになっています。口から成分を取り入れる場合、ハードルとなるのが胃酸です。吸収は小腸で行われるため、いかに胃酸で分解されることなく、小腸まで届くかがポイントになります。
そこで、リポソームで包むことにより、中の成分を胃酸から守れるので、小腸まで届けやすくなるのです。さらにリポソームの素材を調節すれば、小腸での吸収率を上げることもできます。
ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、コエンザイムQ10、亜鉛、マグネシウム、ルテインなどをリポソームに包んだものがサプリメントの原料として市場に出ています。
リポソームルテインを配合したサプリメント「Eyepa」
パソコンやスマホなどで目を酷使する現代人がとりたい成分が詰まったサプリ「Eyepa」にも、リポソームを用いた成分が使われています。Eyepaにはリポソームで包んだルテイン、「リポソームルテイン」が配合されています。
Check
リポソームルテインのメリット
ルテインは油になじむ成分ですが、小腸で吸収されるためには、胆汁酸と混ざって、水に分散しやすい状態になることが必要です。また、胆汁酸が少ない方だと、小腸での吸収が落ちてしまいます。
しかし、リポソームルテインは既に水に分散しやすい状態になっているので、胆汁酸の力を借りなくても、小腸で吸収されやすいのです。
Eyepaは、ルテイン以外にも、ゼアキサンチン、ビルベリー、アスタキサンチン、ビタミンA、C、E、亜鉛など、目を使う人に欠かせない成分を詰め込んだオールインワンサプリです。
香料、酸味料、着色料、保存料、甘味料、増粘安定剤の6つの添加物を使用せず、国内のGMPに準拠した工場で製造しており、品質面でも細部までこだわり抜きました。
定期購入は初回43%オフで購入できるので、自分に合うかを1ヶ月じっくり試してみたい方におすすめです。
気に入った場合は、2回目以降も29%オフで購入できます。縛りやキャンセル料もなく、送料無料で15日間の返金保証もあるので、まずは気軽にお試しください。


リポソームとナノカプセルの違いは?
よく似たものとして、「ナノカプセル」という言葉を見聞きしたことがある方もいるでしょう。リポソームとナノカプセルには、公的な使い分けの定義などがなく、同じ意味で使われることもあれば、別々のものとして扱われることもあります。
例として、粉体工学会の粉体工学用語辞典では、ナノカプセルとリポソームを次のように説明しています。
Check
【ナノカプセル】
サブミクロンサイズのコーティング粒子のこと。
【リポソーム】
生体成分であるリン脂質が水中で自発的に集合して形成する二重膜からなる閉鎖小胞のこと。
粉体工学用語辞典の説明では、ナノカプセルには材質の概念がなく、リポソームにはサイズの概念がありません。そのため、ナノサイズのリポソームであれば、同時にナノカプセルにも該当するとも言えます。
リポソームと間違えやすいもの
人間の体にはリポソームとよく似た響きの「リボソーム」や「リソソーム」というものも存在しています。いずれもリポソームと名前は似ていますが、全くの別物です。
リポソームが使われた製品を選ぶ際に混乱したり、間違えたりすることのないように、違いを覚えておきましょう。
リボソーム
リボソームは生き物の体の中で、たんぱく質を作るために欠かせないものです。
生命活動を支えるためにはさまざまな機能を持つたんぱく質が作られますが、その設計図はDNAという形で生体内に存在しています。DNAの情報をmRNAに転写し、リボソームに結合することで、設計図を元にしてアミノ酸を集め、たんぱく質が作られます。
リソソーム
リソソームは細胞内にある細胞小器官の1つです。細胞内で、たんぱく質、多糖類、脂質の分解を担っています。免疫において特に重要で、白血球がとらえて殺した細菌やウイルスの分解はリソソームによって行われます。
効率よく栄養をとるためにリポソームを活用したサプリメントを選ぼう
リポソームで成分を包むことで、成分の性質や人体のメカニズムのハードルを越えて、成分を安定して届けることができるようになります。
元々は医薬品を届けるための技術として開発されましたが、美容成分や栄養素も包めるので、化粧品やサプリメントでも応用が可能です。
特に胃酸という大きなハードルがあるサプリメントでは、リポソームを用いれば、効率的な摂取につながることが期待できます。パソコン作業の多い方や、スマホをよく使う方は、リポソームルテインを配合した「Eyepa」を毎日の生活に取り入れてみてくださいね。


この記事に登場する専門家

かんない駅前眼科クリニック院長
福永 ひろ美
【ひとみケアサプリEyepa監修・眼科医】 日々の生活の中で、バランスよく必要な栄養素を摂取することも大切なのです。Eyepaは眼の潤いをサポートしてくれるビルベリーを始め、抗酸化成分であるルテインやアスタキサンチン、その他多様な成分がオールインワンに含まれており、非常に理にかなった製品だと思います。

Webライター
木原かおる
- コスメ薬機法管理者
- 薬機法医療法広告遵守個人認証(YMAA)
- 景品表示法・特定商取引法広告遵守個人認証(KTAA)
国内化粧品メーカー、外資系消費財メーカーで、品質管理や薬機法業務に約15年従事した後にフリーライターに。薬機法や成分関連の知識をいかして、コスメやサプリのライティング、校正、記事監修などを手がける。
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