加齢黄斑変性の失明までの期間はどれくらい？治療法や予防法もご紹介

加齢黄斑変性とは？失明までの期間

加齢黄斑変性とは、年齢を重ねるにつれて網膜の中心にある「黄斑（おうはん）」という部分に異常が生じ、視力が低下してしまう目の病気です。

現在の日本において、失明原因の第4位となっており、決して珍しい病気ではありません。

初期症状としてよく見られるのが、見ようとする中心部分がゆがんで見える「変視症（へんししょう）」です。たとえば、障子の枠やタイルの目地などが波打って見えます。さらに症状が進行すると、視界の真ん中が黒く塗りつぶされたように見えなくなる「中心暗点」が現れることも。

ここまで進むと、人の顔が判別できなくなったり、色の区別がつかなくなったりと、日常生活に深刻な影響を及ぼします。

自然に治ることはほとんどなく、最悪の場合視力を完全に失ってしまうリスクもあるため、早期発見と早期治療が重要です。

加齢黄斑変性のタイプ

加齢黄斑変性には、大きく分けて以下の2つのタイプが存在します。

どちらのタイプであるかによって、病気の進行スピードや治療方針、そして失明までの期間の目安が異なります。

萎縮型

萎縮型の加齢黄斑変性は、網膜の細胞が加齢とともに少しずつ萎縮し、機能が低下していくタイプです。萎縮型の特徴は、病気の進行が比較的ゆっくりであること。診断されたからといって、すぐに視力を失ってしまうわけではありません。

ただし、時間の経過とともにタイプが変化することがあるため、安心して放置するのは避けましょう。

定期的な眼科検診を受け、状態の変化をいち早く察知することが視力を守ることにつながります。

滲出型

滲出型の加齢黄斑変性は、「脈絡膜新生血管」と呼ばれる異常な血管が網膜の下に発生することで起こるタイプです。

脈絡膜新生血管は非常に脆く、容易に出血したり、血液中の水分（滲出液）が漏れ出したりして網膜の機能を著しく阻害します。

最も警戒すべき点は、進行スピードが早いことです。出血やむくみが起きると、急激に視力が低下し、適切な処置をしないまま放置すると、短期間で失明に至るリスクがあります。

「急に見えにくくなった」「ゆがみがひどくなった」と感じた場合は、このタイプである可能性が考えられるため、一刻も早い受診が必要です。

タイプ別｜失明までの期間

加齢黄斑変性における失明までの期間は、病気のタイプや個人の体質、発見のタイミングによって大きく異なります。一概に「何年」と言い切ることはできません。

より注意が必要なのは滲出型です。進行が早いため、発症から数ヶ月、あるいは数年以内に中心視力が急激に低下するといわれています。ただし、初期に治療を開始できれば、視力を維持できる可能性は十分にあります。

一方、萎縮型は進行がゆるやかで、数年といった長いスパンで徐々に視力が下がっていくことが多いです。しかし、途中で滲出型に移行した場合は、短期間で一気に視力を失うこともあり得ます。

加齢黄斑変性のセルフチェック

加齢黄斑変性を発症したか不安になったとき、病院へ行く前に自宅で簡単にできるチェック方法があります。以下の手順で、見え方に異常がないか確認してみましょう。

もし、格子の線が波打って歪んで見えたり、中心部分が薄暗く欠けて見えたりした場合は要注意です。

また、線の一部が途切れて見えたり、全体的にぼやけていたりする場合も、網膜に何らかの異常が起きている可能性があります。

どちらか一方の目だけでも違和感があったなら、早めに眼科を受診してください。

加齢黄斑変性の治療方法

加齢黄斑変性と診断された場合、主な治療法としては、以下の3つが挙げられます。

加齢黄斑変性の予防のために気をつけたい生活習慣

加齢黄斑変性は、日々の生活習慣とも深く関わっています。健やかな視界を守るために、今日からできる対策を取り入れていきましょう。

バランスの良い食事をし、目に優しい栄養素を意識的に摂る

目の健康は、毎日の食事から作られます。基本は栄養バランスの取れた食事ですが、特に「抗酸化作用」のある栄養素を積極的に摂るのがおすすめです。

たとえば、野菜や魚介類、オリーブオイルなどを中心とした「地中海式食生活」は、加齢黄斑変性の予防に役立つと考えられています。加えて、黄斑を保護するルテインなども重要です。

以下のような栄養素と食材を意識してみましょう。

反対に、スナック菓子やケーキ、脂っこい肉料理などに多く含まれる飽和脂肪酸の摂りすぎは、血管の健康を損なうため控えるようにしましょう。

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禁煙する

禁煙も予防策のひとつです。喫煙は、加齢黄斑変性の発症リスクを高めることが、多くの研究で明らかになっています。

タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は、血管を収縮させ、血流を悪くするだけでなく、網膜に酸化ストレスを与えて老化を早めてしまうからです。

最近では、病院の禁煙外来で医師のサポートを受けながら、薬を使って無理なく禁煙に取り組むこともできます。目の健康の健康のために、ぜひ禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

紫外線から目を守る

肌の日焼け対策はしていても、目の紫外線対策は意外と見落とされがちです。しかし、強い紫外線を長時間浴び続けることは、網膜にダメージを与え、加齢黄斑変性のリスクを高める要因となります。

外出する際には、UVカット機能のついたサングラスや眼鏡を着用し、直接目に紫外線が入らないようにしましょう。特に、屋外で過ごす時間が長い方や、日差しの強い季節には注意が必要です。

加齢黄斑変性に関するよくある質問

ここでは、加齢黄斑変性について、よく寄せられる質問にお答えします。

加齢黄斑変性は治る病気ですか？

加齢黄斑変性は、完全に元の状態に戻して「完治」させることは難しい病気です。一度傷ついてしまった網膜の細胞を再生させる治療法は、残念ながら現在のところ確立されていません。

しかし、抗VEGF薬などの治療を行うことで、病気の進行を食い止めたり、ある程度視力を改善・維持したりすることが期待できます。

加齢黄斑変性と老眼は違うものですか？

老眼は、カメラのレンズにあたる「水晶体」が加齢によって硬くなり、ピント調節機能が衰える生理現象のこと。一方、加齢黄斑変性は、フィルムにあたる「網膜」に異常が起きる病気であり、これらは別物です。

「眼鏡を変えても新聞が読みにくい」といった場合は、単なる老眼ではなく加齢黄斑変性が隠れている可能性がありますので、眼科での検査をおすすめします。

加齢黄斑変性の治療期間はどれくらいですか？

病気の状態や治療法によって異なるため一概には言えませんが、基本的には長期的な通院が必要になると考えてください。

例えば、抗VEGF抗体療法の場合、最初は1ヶ月ごとに数回注射を行い、その後は経過を見ながら数ヶ月おきに注射や検査を継続します。効果が薄れてくれば再投与が必要になるため、ある程度長い付き合いになります。

主治医とよく相談し、根気強く治療を続けていくことが視力を守るための近道です。

加齢黄斑変性は失明のリスクあり！早期に治療を始め、生活習慣に注意しよう

加齢黄斑変性は、放置すれば失明につながる可能性のある病気のため、早期に発見し、適切な治療を始めることが大切です。

少しでも早く対処をはじめ、今の視力を守りましょう。見え方に違和感を覚えたら、ためらわずに眼科を受診してください。

また、治療と並行して、日々の生活習慣を見直すことも重要です。禁煙や紫外線対策、そしてバランスの取れた食事は、病気の進行を抑えるための強力な味方になります。

しかし、毎日の食事で目に必要な栄養を完璧に摂るのは難しいものです。そんなときは、眼科医が原材料を監修したオールインワンサプリ「Eyepa（アイーパ）」を活用してみてはいかがでしょうか。

ルテインや抗酸化ビタミンなど、目にうれしい成分が凝縮されており、手軽にひとみケアを続けられます。

将来も美しい景色や家族の笑顔を見続けるために、今日から目のための新しい習慣を始めてみませんか。