2025-12-29
生活習慣病の種類とは?該当する病気や治療、予防のための対策を紹介

運動不足や栄養の偏りなど、生活習慣に気を配れていないと、生活習慣病が気になることも多いでしょう。一口に生活習慣病といっても、その種類は多く、体のさまざまな部位に影響が出ます。
しかし、予防のためのポイントはある程度共通しています。運動習慣、食生活、飲酒や喫煙を控えるなど、いくつかのポイントを押さえることで、複数の種類の生活習慣病の予防につながります。さらに定期的な検査を受けて、体の状態を把握することも重要です。
生活習慣病の種類を理解し、予防のためのポイントを押さえて、健康でイキイキと年齢を重ねましょう。
この記事に登場する専門家

福井大学医学部 第二内科 准教授
濱野 忠則
- 脳神経内科長
- 診療教授

Webライター
木原かおる
- コスメ薬機法管理者
- 薬機法医療法広告遵守個人認証(YMAA)
- 景品表示法・特定商取引法広告遵守個人認証(KTAA)
生活習慣病の定義
生活習慣病はかつては「成人病」と呼ばれていました。1996年頃から脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣に着目して捉え直して、「生活習慣病」という呼称が用いられています。1996年の厚生省(当時)の資料では生活習慣病について、以下の様に記述されています。
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厚生省・公衆衛生審議会 生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)
生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
また、WHOは生活習慣病と似た概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)を用いています。心臓病、脳卒中、がん、糖尿病に加えて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます。
生活習慣病に該当する病気とは?
生活習慣病にどの病気が該当するかは明確には定められておらず、法律ごとにやや異なっています。内蔵系の病気がほとんどですが、運動機能や骨格、歯の病気を含めて考えているケースもあります。
本記事では死因の上位を占めるものや、複数の病気の危険因子になるものを中心として、以下の7つの病気を取り上げます。
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がん
心臓病
高血圧
脳卒中
糖尿病
脂質異常症
肥満
がん
がんは30年以上連続で日本人の死因の第1位となっている病気です。がんはさまざまな原因で、さまざまな部位に起こりますが、生活習慣病としては大腸がんと肺がんが挙げられます。いずれも放置すれば、治療が困難になり、命を脅かします。
大腸がん
大腸がんは、良性のポリープが長い時間をかけて、がんに変化し、発生すると考えられています。日本での患者数が急速に増えており、2023年の部位別がん死亡数でも女性では1位、男性でも2位となっています。脂肪が多く、食物繊維の少ない欧米型食生活が原因であることが示唆されています。
肺がん
肺がんも患者数が多く、2023年の部位別がん死亡数において男性では1位、女性でも2位を占めています。肺がんにはいくつかのタイプがありますが、特に肺扁平上皮がんは喫煙との関連が強いとされています。肺扁平上皮がんは気管から気管支の内部を覆っている扁平上皮という細胞で発生するがんです。
心臓病
生活習慣病における心臓病としては、前段階となる動脈硬化の他、狭心症や心筋梗塞が挙げられます。発症すれば、命に関わる可能性が高いため、生活習慣病の中でも、特に早期発見と早期治療が重要です。
動脈硬化
血液を全身に運ぶ血管である動脈が、さまざまな原因で狭くなったり、硬くなったりするのが動脈硬化です。動脈硬化を起こした部位には血液が行き渡らなくなり、機能に影響が出ます。
狭心症
動脈硬化が心臓の冠動脈で起こると、狭心症につながります。心臓に十分に血液が行き渡らなくなることで、胸を締め付けられるような発作を起こします。
心筋梗塞
動脈硬化で細くなった冠動脈に血栓がつまると心筋梗塞になります。激しい胸の痛みを生じ、命の危険があります。心筋梗塞により、心臓の細胞の機能が失われることがありますが、心臓の細胞は再生しないので、後遺症が残る場合もあります。
高血圧
血圧が高い状態が続くと高血圧と診断されます。日本高血圧学会は以下の診断基準を設けています。
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収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上
または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上
の場合、高血圧と診断
高血圧自体が体の不調を引き起こすわけではなく、自覚症状も現れません。しかし、高血圧は脳、心臓、腎臓、目の網膜に影響を与えるとされており、脳卒中や心臓病などのリスク要因となります。放置せずに早めに対処することが大切です。
脳卒中
脳卒中は脳血管の異常の総称で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が該当し、いずれも高血圧が最大の原因です。即、治療が必要となる危険な病気で、治療が遅れると後遺症が残ることもあります。また、認知症の1つである血管性認知症につながることもあるので、迅速な対処が必要です。
脳梗塞
脳梗塞は脳の血管がつまる病気です。その前段階には脳の動脈硬化があります。
十分な血液が血液が行き渡らず、脳の機能が失われるリスクが高くなるため、一刻も早くつまった部分を取り除く治療が必要です。スムーズに治療できれば、後遺症のリスクを下げることにもつながります。
脳出血・くも膜下出血
脳出血とくも膜下出血はいずれも脳の血管が破れて、出血する病気です。脳の内部で起こるのが脳出血、脳を覆うくも膜と脳の間で起こるのがくも膜下出血です。
たまった血が脳細胞を圧迫して悪影響を及ぼすため、やはり早急な治療が必要となります。
糖尿病
糖尿病は血糖値が高くなる病気です。血糖値に加えて、ヘモグロビンの1つであるHbA1cの数値を調べ、以下のいずれかに該当すると、糖尿病の疑いがあると診断されます。
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空腹時血糖:126mg/dl以上
食事をとった後に測った血糖(随時血糖):200mg/dl以上
HbA1cが6.5%以上
糖尿病自体には自覚症状はありません。しかし、放置すると、動脈硬化を進行させて脳卒中や心臓病のリスクを高めたり、網膜症、腎症、神経障害のような合併症を引き起こしたりします。放置せずに血糖値のコントロールを行うことが大切です。
脂質異常症
脂質異常症では血液検査において、血清脂質の数値に異常が出ます。LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライドの3つを調べます。トリグリセライドが高い場合にはLDLコレステロールが正確に測定できないため、代わりにnon-HDLコレステロールの検査を行うこともあります。
【脂質異常症の診断基準】
| 項目 | 基準値 | 診断名 |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
| LDLコレステロール | 120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
| トリグリセライド | 150mg/dL以上(空腹時採血) | 高トリグリセライド血症 |
| トリグリセライド | 175mg/dL以上(随時採血) | 高トリグリセライド血症 |
| Non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
| Non-HDLコレステロール | 150~169mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
脂質異常症は自覚症状はありませんが、動脈硬化を進行させるため、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。放置せず、数値の改善に取り組むことが重要です。
肥満
文字通り、体重が多い状態で、日本ではBMI25以上を肥満に該当するとしています。
肥満だけであれば、治療の対象とはなりませんが、肥満により健康障害を起こしているか、健康障害が予測され減量が必要とされると「肥満症」の病名が付きます。BMIが25以上で、下記に該当すると肥満症です。
Check
・耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
・脂質異常症
・高血圧
・高尿酸血症・痛風
・冠動脈疾患
・脳梗塞・一過性脳虚血発作
・非アルコール性脂肪性肝疾患
・月経異常・女性不妊
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
・運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
・肥満関連腎臓病
また、BMIが正常でも、腸の周囲に内臓脂肪が多く蓄積する「内臓脂肪型肥満」も要注意です。内臓脂肪型肥満は腹囲が基準となります。腹囲が基準値を超え、他の検査数値の異常がある場合には「メタボリックシンドローム」と診断されます。
肥満症もメタボリックシンドロームも、それ自体が危険というわけではありませんが、命に関わる病気のリスクを高めます。また、病気ではない肥満でも、BMIが25~27を超える状態が続くと、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを起こしやすくなります。
メタボリックシンドローム診断基準
【腹囲】
- 男性 ≥ 85cm
- 女性 ≥ 90cm
| 項目 | 基準値 |
|---|---|
| 高トリグリセライド血症 かつ/または 低HDLコレステロール血症 | ≥ 150mg/dL < 40mg/dL |
| 収縮期(最大)血圧 かつ/または 拡張期(最小)血圧 | ≥ 130mmHg ≥ 85mmHg |
| 空腹時高血糖 | ≥ 110mg/dL |
参考:厚生労働省 肥満と肥満症
生活習慣病の原因と予防のためのポイント
生活習慣病の種類は多く、体のさまざまな部位で起こりますが、原因はある程度共通しています。運動習慣、食生活、飲酒か喫煙といったポイントを押さえることで、複数の種類の生活習慣病の予防につなげられます。
運動習慣
体を動かさないと、摂取したエネルギーが十分に使われず、脂肪として蓄積され、肥満につながります。肥満の状態が続けば、高血圧や糖尿病、脂質異常症のリスクが高まります。適度に運動の習慣を持つことが大切です。
運動と言っても、ストイックにやる必要はありません。まず、日常生活の中で体を動かす時間を増やすことから始めてみましょう。
厚生労働省の生活習慣病予防啓発サイトでは、「今より10分多く、毎日からだを動かす」ことを提唱しています。以下の様な行動を意識してみましょう。
- 1目的地の1駅手前で降りて歩く
- 2エレベーターではなく階段を利用する
- 3座りながら足を上げて腹筋運動
- 4椅子にゆっくり座ることでスクワット
中でも歩くことは、特別な器具や準備が必要なく、体の状態に応じて速さや距離を変えて負荷を調節できるので、特におすすめです。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」の中では、以下の様な歩行の目安を示しているので参考にするとよいでしょう。
Check
【成人】
1日約8000歩
→家事などの生活活動は約2000歩と換算されるので、あと6000歩歩く
【高齢者】
1日約6000歩
→家事などの生活活動は約2000歩と換算されるので、あと4000歩歩く
食生活
栄養バランスも生活習慣病に大きく影響します。特に糖分の取りすぎは糖尿病に、脂質の取りすぎは肥満に、塩分の取りすぎは高血圧につながります。もちろん、ビタミンやミネラルなどの他の栄養はバランスよく取らねばなりません。
まずは自分が食べているものを記録することから始めてみましょう。文部科学省の食品成分データベースを活用すれば、どの栄養を取りすぎていて、どの栄養が足りないかが見えるようになります。記録と栄養管理が簡単にできるスマホのアプリもあるので、興味がある方は取り入れてみましょう。
記録を元に食材や調理法を選んで、栄養バランスのとれた食生活を組み立てていきましょう。また、好き嫌いなどで偏りが出てしまう場合は、サプリメントで不足する栄養を補うのもおすすめです。
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初めての方は、初回限定価格がある公式サイトからの購入がおすすめです。縛りやキャンセル料もなく、送料無料で15日間の返金保証もあるので、まずは気軽にお試しください。
喫煙や飲酒
喫煙や過度な飲酒は脳卒中、高血圧、がんなどのリスクを高めます。一例として、国立がん研究センターは飲酒、喫煙とも脳卒中のリスクを高めるとの研究結果を発表しています。
Check
【飲酒のリスク】
1日平均3合以上お酒を飲む人は、月に1〜3回飲む人に比べて、1.6倍脳卒中になりやすい
【喫煙のリスク】
喫煙者は、非喫煙者に比べて、男性で1.3倍、女性で2.0倍、脳卒中になりやすい
飲酒は脳卒中や高血圧の他、消化器がんのリスク要因になります。胃がんや食道がんは、少量の飲酒でもリスクが上がるとの報告もあります。飲酒をゼロにする必要はありませんが、適量を守り、週に1日は休肝日を設けましょう。
喫煙は特に呼吸器への影響が大きいですが、他にも多くの病気のリスク要因となっています。厚生労働科学研究による「たばこ対策の推進に役立つファクトシート 2021年版」では、2019年の1年間で、タバコがなければ死なずに済んだ人は21万2000人と推計しています。
また、受動喫煙による周囲への影響も無視できません。生活習慣病予防に加えて、周囲の大切な方のためにも、早めの禁煙がおすすめです。
参考:国立がん研究センター 飲酒と脳卒中発症との関連について
定期的に検査を受けることも大切
生活習慣病の予防には、定期的な検査も大切です。生活習慣病は自覚症状がないものが多く、気付かないうちに深刻な状態に陥ることも少なくありません。
しかし、定期的な検査により、早期発見が可能です。早い段階の方が治療の選択肢も多くなるため、健康への影響を抑えられます。
会社員の方であれば、職場で実施される健康診断を必ず受診しましょう。会社員以外の方はかかりつけのクリニックで受けたり、自治体が行う健康診断を利用したりしましょう。また、受けて終わりではなく、結果を見て、生活習慣の改善に取り組むことが、健康維持のためのポイントです。
生活習慣病の種類、原因、予防のポイントを理解し、健康に年齢を重ねよう
生活習慣病の種類はがん、心臓病、高血圧、脳卒中、糖尿病、脂質異常症、肥満など多岐にわたり、体への影響もさまざまです。しかし、予防のためのポイントは絞られており、加えて、定期的な検査を受ければ、早期発見にもつなげられます。
体を動かす習慣をもち、栄養バランスのとれた食生活を意識して、喫煙や過度な飲酒を控えましょう。
特に食生活は優先して取り組みたいポイントです。糖分、塩分、脂質の取りすぎは控えつつ、必要な栄養を過不足なく取りましょう。足りない栄養素を補うにはオールインワンサプリ「Rimenba」もおすすめです。
この記事に登場する専門家

福井大学医学部 第二内科 准教授
濱野 忠則
- 脳神経内科長
- 診療教授
【知力健康サプリRimenba監修・脳神経内科医】Rimenba(リメンバ)は最近の研究で効果が期待されている葉酸やビタミンB6、ビタミンB12などの栄養素がオールインワンで含まれており、非常に理にかなった製品だと思います。 日々の食事や運動でまかないきれない部分を補ってくれることが期待できます。

Webライター
木原かおる
- コスメ薬機法管理者
- 薬機法医療法広告遵守個人認証(YMAA)
- 景品表示法・特定商取引法広告遵守個人認証(KTAA)
国内化粧品メーカー、外資系消費財メーカーで、品質管理や薬機法業務に約15年従事した後にフリーライターに。薬機法や成分関連の知識をいかして、コスメやサプリのライティング、校正、記事監修などを手がける。
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