2024-07-18
記憶障害を発症する4つの原因|記憶障害の種類や対処法を解説
「記憶障害の原因にはどのようなものがあるのか知りたい」
「記憶障害は20代でもなることがある?」
「記憶障害の症状について知りたい」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
記憶障害の原因としては、加齢や軽度認知障害、ストレスなどが挙げられます。場合によっては20代でも起こる可能性があるため、バランスの良い食事や適度な運動などの予防が重要です。
本記事では、記憶障害の原因や種類などについて詳しく解説します。
記事後半では記憶障害の対策方法についても紹介するので、記憶障害のリスクを減らして健康を維持したい方はぜひ最後までご覧ください。
記憶障害の4つの原因
記憶障害の主な原因は以下の4つです。
- 記憶障害の原因①加齢
- 記憶障害の原因②軽度認知障害
- 記憶障害の原因③うつ病
- 記憶障害の原因④ストレス
それぞれの原因について一つずつみていきましょう。
記憶障害の原因①加齢
一つ目の原因は加齢です。
加齢による記憶障害は年齢を重ねるにつれ、誰にでも起こる症状で、脳機能のわずかな低下がみられます。
新しい人の名前や車の鍵をどこに置いたかなど、物忘れが起こることはありますが、
認知症とは異なり日常生活を送る上で必要な思考能力は失われません。
日常生活で不便を感じることはあるものの、時間をかければ思い出せることがほとんどのため、必ずしも認知症などの兆候というわけではありません。
記憶障害の原因②軽度認知障害
二つ目の原因は軽度認知障害です。
軽度認知障害とは、日常生活に影響を及ぼさない程度の障害を指します。加齢による記憶障害とは異なり、単に思い出すのに時間がかかるのではなく、最近の会話を思い出せなかったり大事な約束を忘れたりします。
日常生活を送る上で必要な能力は失われませんが、
軽度認知障害の人の半数が3年内に認知症を発症するという報告もあるため、注意が必要です。
記憶障害の原因③うつ病
三つ目の原因はうつ病です。
うつ病とは、精神的な病気の一つであり、一般的には、気分の落ち込みや無気力感、睡眠障害、記憶障害などの症状があります。
うつ病による記憶障害は、脳の機能に関わる要因が関与
しています。うつ病の状態では、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、特にヒトの記憶に関与するヒポカンパスという部分に影響を及ぼすことが考えられています。
記憶障害の原因④ストレス
四つ目の原因はストレスです。
ストレスが記憶に与える影響として、情報の取り込みや記憶の定着に関する問題が挙げられます。
ストレスが高まると、脳の一部である海馬という領域の働きが低下し、新たな情報を効果的に処理することが難しくなります。その結果、
新しい出来事や情報を覚えることが困難になる可能性があります。
そもそも記憶障害とは
記憶障害とはその名の通り、記憶機能に問題が生じる状態を指します。加齢や薬物の使用、ストレスなどを要因として引き起こされます。
症状には以下のように個人差があります。
- 特定の出来事や情報を思い出すことが難しくなると感じる
- 新しい情報を覚えることが難しくなる
- 過去の出来事を混同したり、時間の経過を正確に把握できなくなる
仕事や学業において情報を正確に覚えることが困難になるなど、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、早期の診断と適切なケアを受けることが重要です。
記憶障害の種類
記憶障害には以下のような種類があります。
- 種類①短期記憶障害
- 種類②長期記憶障害
- 種類③エピソード記憶障害
- 種類④手続き記憶障害
- 種類⑤意味記憶の障害
一つずつ特徴をみていきましょう。
種類①短期記憶障害
短期記憶障害は、情報を一時的に保持する能力に問題がある状態を指します。例えば、名前や電話番号を覚えることができず、すぐに忘れてしまうことがあります。短期記憶障害は、脳の損傷やアルツハイマー病などの神経変性疾患によって引き起こされることがあります。
種類②長期記憶障害
長期記憶障害は、過去の出来事や情報を覚えることに問題がある状態を指します。例えば、昔の友人の名前や学校で学んだ内容を思い出すことが難しい場合があります。長期記憶障害は、脳損傷や脳卒中などの病気、またはPTSDなどの心理的要因によって引き起こされることがあります。
種類③エピソード記憶障害
エピソード記憶障害は、個々の出来事や経験を記憶する能力に問題がある状態を指します。例えば、特定の出来事や旅行の思い出を思い出すことができない場合があります。エピソード記憶障害は、脳の損傷や精神的なトラウマによって引き起こされることがあります。
種類④手続き記憶障害
手続き記憶障害は、特定の手順や技能を覚えることに問題がある状態を指します。例えば、自転車の乗り方やピアノの弾き方を覚えることが難しい場合があります。手続き記憶障害は、神経変性疾患などによって引き起こされることがあります。
種類⑤意味記憶の障害
意味記憶の障害は、言葉や概念を理解することに問題がある状態を指します。例えば、単語の意味や文章の意図を理解することが難しい場合があります。言葉の概念を理解することが難しくなるので、「あれ」「それ」などの指示語が会話に増える傾向にあります。
記憶障害との接し方
仮に家族が記憶障害になった場合は、以下のように接するようにしましょう。
- 責めるのではなく受け入れる
- サポートできる環境を整備する
- 記憶を留めるための工夫をする
忘れていることが増え、会話がスムーズに成り立たなくなってしまっても「なんで覚えていないの」「前にも言ったでしょ」などのように、本人を責めてはいけません。
記憶障害の本人にとっては、徐々に自分の記憶が失われていく状態のため、責められても思い出せず、かえって逆効果になってしまいます。
まずは
周囲が記憶障害を受け入れ、サポートしていくことが大切です。
記憶障害の対策方法
記憶障害の主な対策方法は以下のとおりです。
- 適度に運動を行う
- ストレス管理を適切に行う
- 健康に良い食事を心がける
それぞれ詳しく紹介します。
適度に運動を行う
適度な運動を行うことで、認知機能低下を防止できるという報告が数多くあがっています。走るなどの激しい運動ではなく、ウォーキングなどの有酸素運動を週5回、計150分(1回30分)程度の軽い運動を続けていきましょう。
適度な運動を行うことで、記憶を司る海馬の活動を活発化させるという報告もあるため、定期的な運動は重要です。
ストレス管理を適切に行う
先ほど解説したように、ストレスは脳に負担をかけ、記憶障害の原因にもなるおそれがあります。自分でストレスの管理を行うことが難しい場合は、周囲の人のサポートが必要になるため、普段からささいな変化がないか観察するようにしましょう。
健康に良い食事を心がける
野菜や魚を中心とした、健康に良い食事は認知症の予防につながります。ナッツや植物油に多く含まれるオメガ3脂肪酸やビタミンB群は脳の機能に重要な役割を果たします。
一方、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸や飽和脂肪酸は、認知症の発症リスクを高める可能性もあるので、なるべく摂取は控えましょう。
栄養素を気にかけて食事することが難しい場合、足りない栄養素はサプリメントで補給すると良いでしょう。
まとめ
本記事では、記憶障害の原因や種類などについて詳しく解説しました。
記憶障害の主な原因をおさらいしましょう。
- 記憶障害の原因①加齢
- 記憶障害の原因②軽度認知障害
- 記憶障害の原因③うつ病
- 記憶障害の原因④ストレス
日常的に体を動かす機会が少ない人や、加工肉やマーガリンなど飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を含む食事が多い方は注意が必要です。
適度な運動や健康に良い食事を心がけ、記憶障害の防止や進行を食い止めましょう。