2026-03-12
ビタミンD摂取のポイントは食事と日光!ビタミンDの役割や摂取目安量は?

ビタミン類は人間の健康維持に欠かせない栄養素で、全部で13種類あります。中でもビタミンDはカルシウムの吸収や骨の形成に関わっており、まさに人体の構造を支えるための栄養素と言えるでしょう。
ビタミンDは食品から取る必要がありますが、日に当たることでも作られるという、他のビタミンにはない特徴を持っています。しかし、取りやすいビタミンであるにも関わらず、多くの日本人が摂取目安量を満たせていません。
本記事ではビタミンDの機能、含まれる食材や上手に取るための調理法も紹介します。また、日光を浴びてビタミンDを作ることについても解説します。ビタミンDをしっかり取り、健康につなげていきましょう。
この記事に登場する専門家

Webライター
木原かおる
- コスメ薬機法管理者
- 薬機法医療法広告遵守個人認証(YMAA)
- 景品表示法・特定商取引法広告遵守個人認証(KTAA)
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素
ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。腸管で食物からカルシウムが吸収されることで、骨の形成や骨の石灰化を促進します。
骨に関係する栄養素で真っ先に思い浮かぶのがカルシウムですが、カルシウムは骨の材料になるだけで、骨の形成にはビタミンDとビタミンKが欠かせません。他のビタミンでは代わりにならないので、意識して取る必要があります。
ビタミンDには、植物に含まれるビタミンD2と動物に含まれるビタミンD3の2種類があります。働きは両方同じとされているので、取りやすいほうを意識しましょう。
ビタミンDは食事から取るだけでなく、日に当たることでも作られる
他のビタミンと異なり、ビタミンDは食事から取る以外に、日に当たることでも作られます。1920年代に海外での研究で、くる病にかかった子どもに日光浴をさせたら症状が改善したことが、発見のきっかけになりました。
地上に届く紫外線には波長の異なるUVAとUVBの2種類があり、いずれも肌に影響を与えるため、美容面では厄介者扱いされがちです。
Check
【UVA(紫外線A波)】
・肌を黒くする(サンタン)の原因
・シワやタルミなど肌の光老化につながる
・雲や窓ガラスなどを透過して室内に届く
【UVB(紫外線B波)】
・肌を赤くする(サンバーン)の原因
・シミやそばかすにつながる
・雲や窓ガラスは透過しない
ビタミンDを作るにはUVBを肌に当てる必要があります。しかし、UVBはシミやそばかすの原因になるため、美容面とのバランスが難しいところです。
ビタミンDはどのぐらい取ればいい?
ビタミンDは多くの世代で、摂取量を満たせていません。ビタミンDが不足すると、体にさまざまな異常を引き起こします。かと言って、取りすぎても悪影響が出るため、適切に取ることが大切です。
ビタミンDの摂取目安量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、ビタミンDの摂取目安量と耐容上限量は以下のように定められています。
Check
【成人男女のビタミンD摂取目安量】
摂取目安量は1日あたり、9μg
耐容上限量は1日あたり、100μg
しかし、「令和5年国民健康・栄養調査結果」では、全世代の成人で摂取目安量を満たせていないとの結果が出ています。東京慈恵会医科大学は、2019年4月から2020年3月までに東京都内で健康診断を受けた5,518 人のうち、98%の人がビタミンD不足であったことを発表しています。
ビタミンDが不足すると起こる症状
ビタミンDが不足すると子どもの場合はくる病、大人の場合は骨軟化症を引き起こします。特に高齢者でビタミンD不足が長期間続くと、骨密度が低下し、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まることが示唆されています。
食事からのビタミンDの摂取が少ないことや、日光に当たる時間が少ないことの他、腸でビタミンDの吸収がうまくいかない場合や、腎臓病でビタミンDの代謝がうまくいかない場合にも不足します。
ビタミンDは取りすぎるのもNG
不足が怖いからと言って、やみくもにビタミンDを取ることもNGです。ビタミンDは取りすぎても、体に悪影響を及ぼします。
ビタミンDを取りすぎると、腸でのカルシウムの吸収が過剰になってしまい、血液中のカルシウム濃度が高まる高カルシウム血症を起こします。骨以外の腎臓や筋肉にもカルシウムが沈着し、石灰化することもあります。
通常の食事で取りすぎになる心配はほとんどありません。しかし、ビタミンDを多く含むサプリメントを目安量を無視して取った場合などには、取りすぎになる可能性があります。
ビタミンDを食事から取るためのポイント
ビタミンDは食事と日光に当たること、2つの方法で取れるので、状況に応じて切り替えるのがおすすめです。例えば、冬は日照時間が少ないため、日光に当たるのが難しくなります。日光に十分当たれない場合は、食事から積極的に取りましょう。
ビタミンDは魚やきのこに含まれる
ビタミンDを含む食材の代表は魚ときのこです。ただ、1食あたりに換算すると、魚の方が食べる量が多くなるので、その点では魚の方がビタミンDをたくさん取れます。
Check
【ビタミンDを多く含む食材】
<魚>
鮭、うなぎ、さんま、まいわし、まぐろ など
<きのこ>
あらげきくらげ、まいたけ、エリンギ、しめじ、えのき、しいたけ など
食材選びのもう1つのポイントが「天日干し」です。魚もきのこも、日光で乾燥させることで、ビタミンDが増えるので、より効率的に取れるようになります。
以下は文科省の食品成分データベースより抜き出した、生と干した食材のビタミンDの含有量の比較です。
| 食品名 | 含有量 (µg/100g) |
|---|---|
| 生あらげきくらげ | 0.1 |
| 干しあらげきくらげ | 130 |
| 生しいたけ | 0.3 |
| 干ししいたけ | 17 |
| 生まいわし | 32 |
| まいわし丸干し | 50 |
| 生しらす | 6.7 |
| しらす干し | 61 |
※単位はμg
※食材100gあたりの含有量
近年は機械で干しているものもあり、機械干しではビタミンDの増加はありません。
しかし、きのこについては、食べる前に日光に当てることでもビタミンDが増えたとの研究結果が出ています。機械干しのきのこは調理前に、日光に当てるというひと手間加えてみるとよいでしょう。
ビタミンDは油を使った調理と好相性
ビタミンDは油に溶ける性質があるため、効率的に取るには油を使った調理がおすすめです。
魚は油である脂質を含んでいるので、刺身やそのまま焼くなど、シンプルな方法でもビタミンDがしっかり取れます。きのこは油を含んでいないので、炒め物や揚げ物にするのがおすすめです。
農研機構が調理後にビタミンがどの程度残るかを、調理法別にまとめています。フライパンで焼く、炒める、揚げる、煮る調理では、ビタミンDはかなり残りますが、ゆでる、オーブンやグリルで焼く調理ではビタミンDが低下したとの結果が出ています。
カルシウムと一緒に取るのがおすすめ
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進するので、カルシウムと一緒に取るのがおすすめです。魚にはカルシウムも含まれるので、両方を一緒に満たせる食材と言えます。
きのこの場合はカルシウムを含む食材と一緒に調理したり、カルシウムを含む他の食品と一緒に取りましょう。
日に当たることも忘れずに
ビタミンDは日光に当たることでも作られます。食事からの摂取量が足りない場合には、日光に当たることも上手に活用しましょう。
近年のライフスタイルがビタミンD不足の原因に?
国立環境研究所は、過度に紫外線を避けることが、日本人のビタミンD不足につながっている可能性を示唆しています。
化粧品業界では、UVカットアイテムや美白アイテムが数多く販売されており、紫外線によるシミ、そばかすを避ける意識が高まっています。日焼け止めを塗ることで、皮膚で作られるビタミンDが低下することも報告されています。
また、夜型の生活、室内でも楽しめる娯楽が増えたことで、日に当たらないライフスタイルも増えています。日光に当たる時間を上手に作ることも、ビタミンD不足を回避するために重要です。
日焼けしない範囲で日光に当たるためには?
ビタミンDも大事だけど、日焼けやシミ、そばかすにつなげたくないという方は多いでしょう。しかし、どの程度日光に当たればよいかは、地域、季節、時刻、天候、服装、皮膚色などで左右されるため、目安を一律に示すことは不可能です。
そこで活用したいのが国立環境研究所の「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報」のサイトです。日焼けやシミ・しわの原因にならない範囲で、1日に必要なビタミンDを得ることができる日光浴時間を、地域別に、リアルタイムに近い形で表示します。
スマホからも閲覧可能です。お住まいの地域のデータを参考にして、上手に日光を浴びましょう。
参考:国立環境研究所 ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報(モバイルサイト)
ビタミンDを取るには食事と日光が大切!サプリメントも上手に活用しよう
ビタミンDはカルシウムの吸収や骨の形成に関わる栄養素で、食品から取る以外に、日に当たることでも作られます。しかしながら、日本人の多くはビタミンDの摂取目安量を満たせていません。
ビタミンDは足りなくても、取りすぎても健康に悪影響を与えるので、食事と日光に当たることを意識して、しっかりビタミンDを取りましょう。
魚やきのこを積極的に取りつつ、足りない分をサプリメントで補うのがおすすめです。
この記事に登場する専門家

Webライター
木原かおる
- コスメ薬機法管理者
- 薬機法医療法広告遵守個人認証(YMAA)
- 景品表示法・特定商取引法広告遵守個人認証(KTAA)
国内化粧品メーカー、外資系消費財メーカーで、品質管理や薬機法業務に約15年従事した後にフリーライターに。薬機法や成分関連の知識をいかして、コスメやサプリのライティング、校正、記事監修などを手がける。









