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2026-03-12

【薬剤師監修】クレアチンとは?働きや摂取方法を解説

【薬剤師監修】クレアチンとは?働きや摂取方法を解説

年齢とともに、「立ち上がりが重い」「階段がきつくなってきた」といった小さな変化を感じていませんか?

これは“筋肉が動くためのエネルギー不足”が始まっているサインかもしれません。

その鍵を握るのが、筋肉のエネルギー源であるクレアチン。加齢とともに自然と減少してしまうため、放っておくと“動ける力”も徐々に落ちていきます。

本記事では、クレアチンの働きや効果、減ってしまう理由、効率的な摂り方までをわかりやすく解説します。「まだ痛くない今から始める」膝と筋肉のケアとして、現実的で続けやすい方法もご紹介します。

この記事に登場する専門家

薬剤師ライター

渡辺ユリ

  • 薬剤師

クレアチンとは、筋肉のエネルギーを支える成分

クレアチンは、主に筋肉に蓄えられているアミノ酸です。アルギニン・グリシン・メチオニンの3種のアミノ酸から体内で作られます。また、肉や魚といった食品からも摂取が可能です。

クレアチンは体のエネルギー源である「ATP(アデノシン三リン酸)」の生成に関わっています。

Check

【ATP(アデノシン三リン酸)とは】

ATPはすべての生物が活動するために必要なエネルギーを蓄えている物質です。

筋肉を動かすときには、ATPがADP(アデノシン二リン酸)という形に変化する過程でエネルギーを放出します。しかし、ATPはエネルギーをごく少量しか蓄えられないため、数秒動くとすぐに不足してしまいます。

クレアチンは「クレアチンリン酸」という形で筋肉に存在し、ATPが不足したときに素早くADPからATPへ再生させる働きを持っています。

また、加齢に伴い筋肉量が減ると、筋肉に蓄えられるクレアチン量も自然と減少していきます。そのため、クレアチンを補うことは「筋肉が動く力を維持する」うえでも特に中高年にとって重要です。

運動のためだけでなく、「立つ・座る」「歩く」「家事をする」といった日常生活を快適に過ごすためにも、クレアチンは欠かせない役割を果たしています

クレアチンが筋肉維持・膝トラブル予防に役立つ理由

クレアチンは、アスリートや趣味でスポーツやトレーニングをする際にサプリメントなどで取り入れられる成分として知られています。しかし、クレアチンは単に「運動する人のための成分」ではありません。

年齢を重ねると誰にでも起こる“筋力の低下”や“膝の負担増加”にも深く関わっており、中高年の身体を守るための重要な栄養素です。

ここでは、クレアチンがどのように筋肉の働きを支え、膝トラブルの予防に役立つのかを、研究データを交えながら分かりやすく解説します。

筋肉のエネルギーを補い、“動く力”を維持

クレアチンは私たちが体を動かすときに必要なATPを再生する働きをもつ成分です。筋肉の中にあるクレアチンは、ATPが減った瞬間にすぐエネルギーを補い、筋肉がスムーズに動き続けられるようサポートしています。

しかし、加齢とともに、筋肉量や筋肉中のクレアチン量は年々減少します。クレアチンが不足すると、「踏ん張りがきかない」「立ち上がるのに時間がかかる」「階段で疲れやすい」といった“動きの衰え”が出やすくなるのです。

クレアチンを補給するとエネルギー供給の効率が上がり、以下のような効果が期待できます。

  1. 1
    筋力維持・筋力低下の予防
  2. 2
    ふらつき・転倒リスクの軽減
  3. 3
    疲れにくさの向上

特に中高年にとって重要なのが立ち上がりや階段昇降、歩行などの基本動作。これらは膝関節にかかる負担も大きいため、クレアチンによって筋肉の力を維持することが、結果的に膝トラブルの予防にもつながります。

研究でも実証されている中高年へのメリット

クレアチン補給の効果はスポーツ分野だけにとどまらず、近年では「高齢者の身体機能改善」に関する研究も増えています。

海外の研究では、59~72歳の男性が7日間クレアチンを摂取したところ、筋力と下肢身体機能(歩行速度)が向上したことが報告されています。(※1)

さらに、中高年がクレアチンを長期で摂取した研究では、筋力の向上や筋肉量の増加が認められています。(※2)(※3)

筋力が向上することで、疲労感の減少や、椅子の立ち上がり動作の改善など、日常動作で実感しやすい改善が見られるでしょう。

さらに注目すべきは、「運動習慣が少ない人でも効果がみられる」点です。筋トレをしている人だけでなく、普段は散歩や軽い家事くらいの活動量の方でも、クレアチン補給によって身体機能が底上げされる傾向が示されています。

クレアチンは加齢により減少する

体内で作られるクレアチンは加齢に伴って減少することが分かっています。

加齢でクレアチンが減る理由として、主に以下の3点が挙げられます。

筋肉量そのものが減る(サルコペニア)

30代以降、筋肉量は年間約1%ずつ減少するといわれ、70代では年間3~5%に加速します。筋肉量の減少に比例して、クレアチンの蓄積量も減ってしまうのです。

クレアチンを作る力が落ちる

肝臓・腎臓でクレアチンが合成されますが、加齢に伴いその合成速度が低下します。

活動量が減ることで筋肉が使われなくなる

運動不足が続くと、筋肉の代謝活動が低下し、クレアチンの保持量も落ちていきます。

体内のクレアチン量の低下は、「ふんばる力」や「歩く力」などの衰えに直結します。

そのため、特に中高年では食事やサプリメントなどで体外からクレアチンを意識的に補うことが重要です。

クレアチンを効率よく摂る方法

クレアチンは“動く力”を支える重要な成分ですが、実はただ摂るだけでは十分に活かしきれないこともあります。クレアチンがしっかり筋肉で働くためには、相性の良い栄養素や、少しの運動を組み合わせることがポイントです。

ここでは、クレアチンの働きを最大限に引き出すための“効率の良い摂り方”を分かりやすく紹介します。

HMBカルシウムとの組み合わせがおすすめ

HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)は、アミノ酸である「ロイシン」が体内で代謝されてできる成分です。HMBカルシウムは、HMBを体内で吸収されやすくするためにカルシウムを結合させたものです。

HMBカルシウムとクレアチンは働く場所・役割が異なるため、一緒に摂ることで相乗効果が生まれるとされています

HMBカルシウムには、以下の働きがあります。

  1. 1
    筋肉の合成を促進
  2. 2
    筋肉の分解を抑制
  3. 3
    筋肉量の維持をサポート

研究でも、HMBは高齢者の筋肉の減少を抑えることが示されており、クレアチンとHMBを組み合わせることで、「作る(HMB)」「守る(HMB)」「動かす(クレアチン)」という、筋肉維持に必要な3方向からアプローチができます

軽い運動との併用でさらに効果的

クレアチンもHMBも、軽い運動と併用すると筋肉での働きが高まります

運動で血流が良くなると、栄養素が筋肉に運ばれやすくなります。その結果、クレアチンの筋肉での取り込みが増加し、クレアチンの効果が高まるのです。

激しい運動や筋トレでなくても、軽い運動でクレアチンやHMBカルシウムの働きは高まります。おすすめの運動は以下のとおりです。

  1. 1
    10〜20分のウォーキング
  2. 2
    軽めのスクワットやラジオ体操
  3. 3
    太ももの筋肉を動かす簡単ストレッチ
  4. 4
    椅子で立ち座りをゆっくり行う「椅子トレーニング」

また、クレアチンやHMBカルシウムの効果をより引き出すために、以下のタイミングの摂取が特におすすめです。

Check

運動前】

エネルギー回復が速くなり、動きやすくなります。運動の質が上がることで、筋肉にしっかり刺激が入るのです。

運動後】

栄養吸収が良いのが運動後。筋肉の合成シグナルが高まり、HMBの効果が高まります。

朝の活動前】

中高年は夜間の栄養分解(筋肉の分解)が進みやすいため、朝にHMBやクレアチンを摂ることで、日中の活動をスムーズにスタートできます。

筋力や筋肉量の維持をするために、毎日継続して取り入れることが大切です。

クレアチンの摂取方法

クレアチンは体内でも合成されますが、合成される量は1日の必要量の半分程度です。そのため、食品やサプリメントから摂取する必要があります。

ここでは、クレアチンを含む食品や、おすすめのサプリメントについて解説します。

クレアチンを多く含む食品

クレアチンは動物性食品(肉や魚)に多く含まれています

主な食品に含まれるクレアチン量の目安は以下のとおりです。

食品100gあたりのクレアチン量の目安
牛肉約0.44g
豚肉約0.5g
マグロ約0.4g
サーモン約0.44g
ニシン約0.66g

参考:クレアチン|日本食品機能研究会

中高年の筋力維持や動きやすさ改善のために推奨されるクレアチン量は1日3〜5gです。これだけを食品でまかなうには、大量に摂取しなければならず、現実的ではありません。

また、クレアチンは加熱調理で20~40%ほど減少することが分かっており、食品から必要量を摂取するのは難しいでしょう。

必要量を安定して・確実に摂るにはサプリメントのほうが合理的です。

ただし、クレアチンの摂取で腎機能の低下や腎機能障害が現れる可能性が指摘されているため、腎機能に不安がある方や慢性腎臓病(CKD)の疑いがある方は、使用する前に医師に相談しましょう。

“今は痛くない”からこそ始めたい、膝と筋肉のケア

膝の痛みや筋力低下は、ある日突然あらわれるわけではありません。実際には、クレアチン量の減少や筋肉の萎縮がじわじわ進み、「階段がしんどくなった」「立ち上がる時にギシッとする」といった小さな変化から始まります。

しかし、まだ大きな痛みが出ていない今こそ、最もケアを始めやすいタイミングです。

  1. 1
    クレアチンで“動く力”をサポート
  2. 2
    HMBカルシウムで筋肉の分解を抑制
  3. 3
    軽い運動で筋肉の働きを強化

この3つを組み合わせることで、将来も自分の足で歩き続けるための身体づくりができます。

日々の栄養サポートとしてサプリを活用して、“元気に動ける体”を守っていきましょう。

参考文献

※1.Creatine supplementation improves muscular performance in older men

※2.Creatine supplementation during resistance training in older adults-a meta-analysis

※3.Effects of creatine, ginseng, and astragalus supplementation on strength, body composition, mood, and blood lipids during strength-training in older adults

この記事に登場する専門家

薬剤師ライター

渡辺ユリ

  • 薬剤師

現役薬剤師ライター。クリニック門前薬局・面薬局での勤務経験を活かし、医療・美容分野を中心に執筆。専門性、信頼性、分かりやすさを重視したライティングを心掛けています。

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