肺血栓塞栓症の予防方法とは？血栓症の原因やなりやすい人について解説

肺血栓塞栓症とは？

肺血栓塞栓症とは、肺動脈やその分岐部に血栓が詰まることによって引き起こされ、心停止をきたすこともある危険な病気です。

血栓は通常、他の部位からの血液栓が肺へと流れ込むことによって形成されます。肺血栓塞栓症の主な原因としては、深部静脈血栓症や心房細動、手術後の静脈血栓症などが挙げられます。

肺血栓塞栓症は長時間飛行機に乗ることでも起きることがあり、「エコノミークラス症候群」といった名称でマスコミでも取り上げられました。

肺血栓塞栓症は放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。

肺血栓塞栓症の予防する3つの方法

肺血栓塞栓症を予防するには以下の3つの方法がおすすめです。

• 適度に足の運動を行う
• 圧迫ストッキングを着用する
• 弾性包帯を使用する

これから紹介する方法を実行して、肺血栓塞栓症を予防しましょう。

適度に足の運動を行う

肺血栓塞栓症を予防するには、肺血栓塞栓症の原因となる下肢深部静脈血栓症を予防することが重要です。

長時間座りっぱなしや寝たままの状態が続くと、下肢の血流が滞り、血栓ができやすくなります。足の筋肉を動かすことで、血液の循環が促進され、血栓の発生リスクを減らすことができます。

具体的には、軽いウォーキングやストレッチがおすすめです。日常生活の中でできるだけ座りっぱなしにならないように心掛け、定期的に立ち上がって足を動かすことが大切です。

圧迫ストッキングを着用する

次の予防方法は、圧迫ストッキングの着用です。

圧迫ストッキングを着用することで、深部静脈の流れを促せます。肺血栓塞栓症の予防方法として一般的に用いられる方法の一つです。

弾性包帯を使用する

次は、弾性包帯を使用する方法です。

先ほど紹介した圧迫ストッキングのサイズが合わない場合や、圧迫の程度を細かく調整しなければならないときに用いられます。

肺血栓塞栓症の原因

肺血栓塞栓症の原因としては、がんや心不全、脳卒中などの病気や血液の凝固能力の異常などが挙げられます。

具体的に以下のような状態の方は、肺血栓塞栓症の原因となる深部静脈血栓ができやすくなります。

• 寝たきりの状態
• 手術時あるいは手術後
• 脱水状態
• 静脈血栓症の既往
• 先天的な血液凝固異常
• 心疾患、悪性腫瘍、脳卒中の既往
• 下肢の骨折で自由に動けないとき
• 高齢
• 高度の肥満
• 血管撮影
• 骨盤内の大きな腫瘍の存在
• 喫煙
• 妊娠
• 経口避妊薬の服用

上記の

危険因子が多い方ほど深部静脈血栓ができやすくなるため、注意が必要です。

肺血栓塞栓症になりやすい人

以下のような方は肺血栓塞栓症になりやすいです。

• 長時間座っている人
• 体を動かす機会が少ない人

それぞれ詳しく解説していきます。

長時間座っている人

肺血栓塞栓症は、血液中の血栓が肺の血管に詰まることで起こります。長時間座っていると下半身の筋肉が活動せず、血液の流れが滞ります。その結果、下肢の血液が心臓に戻りにくくなり、血栓ができてしまいます。

また、

長時間座っていると呼吸も浅くなり、肺の血液循環が悪くなるだけでなく、肺血栓塞栓症のリスクがさらに高まる要因にもなります。

体を動かす機会が少ない人

先述の通り、体を動かす機会が少ない人は血液中の塊が肺の血管に詰まりやすくなるため、肺血栓塞栓症のリスクが高まります。

運動することで筋肉が収縮し、血液がスムーズに流れるようになります。また、体を動かすことで血液中の塊ができにくくなるため、肺血栓塞栓症のリスクを減らせます。

体を動かす機会の少ない人は、

仕事中に座りながらできる運動や、階段を使ってエレベーターを避けるなどの工夫が有効です。

肺血栓塞栓症の治し方

肺血栓塞栓症の治し方としては、血液を溶かす血栓溶解薬や血液が固まるのを阻害する抗凝固薬などを用いた薬物治療が一般的です。

また、場合によっては細い管を通して動脈を拡張するカテーテル治療や外科手術などが行われることもあります。

どんな場合でも早期の診断や治療は重要になるので、先ほど紹介した肺血栓塞栓症の危険因果が多い方は注意が必要です。

まとめ

本記事では、肺血栓塞栓症の予防方法や肺血栓塞栓症になりやすい人の特徴について詳しく解説しました。

肺血栓塞栓症の予防方法をおさらいしましょう。

• 適度に足の運動を行う

• 圧迫ストッキングを着用する

• 弾性包帯を使用する

また、日常的に体を動かす機会が少ない人や、長時間座る機会が多い人は肺血栓塞栓症のリスクが高まります。

バランスの良い食事や長時間同じ姿勢でいないこと、適度なストレッチを行うなどで肺血栓塞栓症の予防を始めましょう。