2024-10-15
アルツハイマー病の予防にできる3つのこと
年齢が上がるにつれてアルツハイマー病の発症リスクが増加する傾向がありますが、高齢者だけが影響を受けるわけではありません。
この記事では、予防策として今からできることを紹介します。
アルツハイマー病とは
65歳以上の高齢者が発症する可能性が高いと言われているアルツハイマー病は、発症すると、病状は徐々に進行し、患者の能力や機能を段階的に低下させます。
年齢が上がるにつれてアルツハイマー型認知症の発症リスクが増加する傾向がありますが、高齢者だけが影響を受けるわけではありません。
比較的若い年齢で発症する若年アルツハイマー型認知症もよく耳にする話です。
アルツハイマー病の原因
アルツハイマー病の原因については、まだ完全に理解されているわけではありませんが、多くの因子がアルツハイマー病の発症と進行に影響している可能性も様々な研究から示唆されています。
これらの要因が相互作用し、アルツハイマー病の発症や進行に影響を与えると考えられています。
その中の一つに脳の変化が挙げられています。
脳は通常、加齢とともに細胞や組織が変化します。
特に「タウ」と「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質の蓄積は発症に大きく関わっていると言われています。
タウが脳に蓄積すると、神経細胞の死を招き、結果として認知症の発症に繋がります。
一方、アミロイドβも脳内に蓄積すると、脳細胞を死滅させると言われています。
蓄積のメカニズムについては、まだ完全には解明されていませんが、加齢などにより分解や排出がうまくいかなくなると、毒性の強いアミロイドβが溜まり始めると言われています。
参考資料:
認知症の病因「タウタンパク質」が脳から除去されるメカニズムを解明―脳内のグリアリンパ系がタウを押し流すことを発見(日本医療研究開発機構)
アルツハイマー病の予防にできる3つのこと
血液検査
前述のように、タンパク質の蓄積が大きく関わっているということがわかります。
東京大学の研究によりますと、血液に含まれる「アミロイドβ」と「タウ」という2つのたんぱく質を組み合わせて分析すると早期発見できると発表しています。
年齢などの情報を加えると分析の精度が90%以上になるとされています。
参考資料:アルツハイマー病 血液で発症前に高精度予測 東大などグループ(NHK News)
現在はまだ研究段階ではありますが、血液検査による予防もそう遠くないでしょう。
食生活を見直す
食事は、健康的な生活の基盤を築くために重要な習慣です。
バランスの取れた食事を摂ること、アルツハイマー病だけなく、多くの生活病も改善できます。
特に脳に良いと言われているテアニン、ノビレチン、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEとDHAやEPAも意識して摂りましょう。
栄養成分 | おすすめ食材 |
---|---|
テアニン | 緑茶、紅茶 |
ノビレチン | シークワーサー、ポンカン、温州みかん |
亜鉛 | うなぎ蒲焼、豚レバー(生)、牛もも肉(生) |
ビタミンA | レバー、うなぎ、モロヘイヤ |
ビタミンB群 | 豚肉、モロヘイヤ、アボカド |
ビタミンC | 赤ピーマン、ブロッコリー |
ビタミンE | 卵、アーモンド、アボガド |
DHA | あなご、まあじ |
EPA | サバ類、シロサケ、すじこ |
上記の栄養素以外にも、良質なタンパク質、健康な脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルを含むバランスの取れた食事が重要です。
ノビレチン、亜鉛など食事からでは摂りにくい成分は、無理をせずに、サプリメントから摂取することも一つの手です。
しかし、中には上限のある栄養素もあるので、適切に配合しているオールインワンサプリメントの方が摂取しやすいこともあります。
身体活動
運動は、血液循環を改善し、脳の健康を促進するのに非常に効果的です。
例えば、毎日の散歩は、景色を感じ取ったり、目で見ることで脳に刺激を与え、散歩の途中で出会える人や動物とやり取りするとより良いです。
まとめ
アルツハイマー病の予防に関する研究はますます進化しています。最近の研究によれば、将来的には血液検査による予防も可能になる可能性が示唆されています。それまでの間には、食事や運動を通じて予防を始めることが重要です。食事を見直す際には、特に脳に良い栄養素を意識して摂取することが重要です。また、サプリメントも必要な栄養素を補う手段の一つです。さらに、散歩などの身体活動は、脳への刺激と共に健康を維持するのに役立ちます。