DHA・EPA
DHA・EPAって何?
イワシやサバなどの脂の乗った青魚に多く含まれていると有名なDHA・EPAはオメガ3系脂肪酸の一種であり、人間の体内で生成することができない必須脂肪酸です。DHAとEPAはよく一緒くたにされていますが、それぞれ違った効果・特徴があります。
DHA (ドコサヘキサエン酸)は人間にとって大事な脳や網膜などの神経系に豊富に含まれている栄養素であることが話題となり「頭の働きがよくなる」効果が期待されるとして一躍有名になりました。
またEPA(エイコサペンタエン酸)は血液の性状を健康に保ち、特に血栓ができにくくしたり、高脂血症を予防する効果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防したりするという働きによる、「血液をサラサラにする」効果が期待されています。
そんなDHA・EPAですが、人間が体内で作ることはほとんどできません。特にEPAは、摂取すると血液中のEPA濃度は上がりますが、摂取を怠るとすぐに血液中のEPA濃度に反映されてしまいます。そのため継続的に摂取する必要があります。
DHA・EPAの3つの効果
①学習機能の向上
DHAは脳の細胞の中に入り脳細胞を柔らかくし、情報の伝達性をよくさせるとともに、細胞を活性化させる効果があるといわれています。活性化させると学習機能を向上させ、スポーツをすればするほど上達し、学習することで知識・経験・判断力が豊かになるとされています。
胎児の発育や、知識を早いスピードで吸収していく乳幼児にとっても必要な栄養素です。これは幼児や子供だけでなく、成人や老人になっても有効な栄養素です。
1989年に英国で日本の子供の知能指数が高いのは魚食(DHA)の影響ではないか、という研究が発表され話題を集めました。
②がん・アレルギー作用を抑える
DHAの働きとして、抗ガン作用と抗アレルギー作用が注目されています。乳ガンや大腸ガンの急激な増加、炎症、アレルギー疾患の発生率が高くなっているのは、魚の摂取量が減ってきていることと相関性があるといわれています。
DHAにはガンを発生させる発ガン物質(プロスタグランジン)を抑える効果があると注目されており、摂取し続けることでプロスタグランジンを正常にしたり増やさないように抑えたりする効果が期待されています。
アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・気管支ぜんそく・食物アレルギー・花粉症などのアレルギーは、体内に入った抗原(アレルゲン)を排除しようと、ヒスタミンやロイトコリエン、PAFといったものが過剰に生産されることが原因でおこります。
DHAは、その中のPAFをつくるところを阻害することができ、アレルギーを抑える効果があるといわれています。
③コレステロールを下げる
血管や血中のコレステロールの値が高いと、動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞・心臓発作といった成人病の原因になります。
そんな成人病を予防する効果があるとされているのがDHA・EPAなのです。DHA・EPAを摂取することで血をサラサラにし、コレステロールの値を下げ、善玉コレステロールを増やしてくれる効果が見込まれます。
また、DHAと仲間のEPAは血栓予防や中性脂肪を減らす働きがあるといわれています。
このことから、成人病予防のほかダイエットにも有効と言えるでしょう。
DHA・EPAと認知症との関わり
認知症の中で最も多いとされる、アルツハイマー型認知症の死亡者は他の死亡者に比べて脳内DHA含有量が半分というデータや、オメガ3系脂肪酸サプリを常用していた人は、サプリを常用していない人と比べ、MRI結果で脳の萎縮が軽減されていることが発表されるなど、DHA・EPAと認知症の関係性は常に研究され続けています。
脳に良いと言われるDHA・EPAですが、それぞれ役割が違います。
脳の神経細胞は増えることはなく、年齢と共に減っていきます。そのため残っている神経細胞をどれだけ効率よく使えるかにより認知機能の働きは変わってきます。DHAには脳神経細胞を活性化させ情報伝達能力を向上させる働きがあるといわれています。一方でEPAは血液をサラサラにする効果が確認されています。
DPA・EPAは脳内の情報伝達と血液循環がスムーズになり、認知機能の向上・維持が期待できるとされています。
まとめ
脳内の情報伝達機能を向上させる効果があるとされるDHAと、血液をサラサラに保つ効果があるとされるEPAを同時に摂取することで、①学習機能の向上、②がん・アレルギーの抑制、③コレステロール値を抑える効果に加え、認知機能の向上・維持までも期待できます。