イチョウ葉
イチョウ葉って何?
イチョウ葉とは、中国原産の落葉高木樹であるイチョウの葉を、乾燥させ抽出した「イチョウ葉エキス」のことを指します。このイチョウ葉エキスはフラボノイド配糖体とテルペンラクトンという成分を含んでいることから、様々な健康機能に効果があり、特に認知症予防に効果があるという報告があります。
中国の伝統医学としての長い歴史を持つイチョウ葉のエキスはその有効性から、数十カ国で医薬品として認められているのですが、日本では2012年現在、イチョウ葉エキスは未だに医薬品扱いの成分としては認められていません。
ヨーロッパで医薬品として使用されているイチョウ葉エキスでは認知症を改善する事が多くの臨床試験で報告されています。さらに、健常人に服用させた結果においても脳のα波を増加させ記憶力を増大したという報告もあります。
そんなイチョウ葉の具体的な効果を紹介します。
イチョウ葉の3つの効果
①抗酸化作用
私たちの体は酸素を利用してエネルギーを作り、生活をしていますが、酸素を利用すると同時に「活性酸素」が体内に発生します。この活性酸素は大量に生成されると血液がドロドロになり、動脈硬化や癌、老化などの原因となります。
イチョウ葉由来のフラボノイド配糖体とテルペンラクトンは、この酸化を防ぐ抗酸化作用を持っています。
②血液循環改善作用
イチョウ葉エキスには、血小板を凝集させる物質であるPAFの作用を妨げる働きがあります。更に抗酸化作用により活性酸素が抑制されることで相乗効果により血流が改善されます。
よって、イチョウ葉の持つPAF阻害作用によって血球の凝集を防ぐことで脳血流が改善され、脳の活動の活性化が期待できます。
③神経伝達改善作用
抗酸化作用によって酸化ストレスによる神経細胞ダメージを抑制することで神経伝達が活性化されます。それだけでなく、神経伝達物質を受け取る受容体の減少に対する抑制作用も持っており、記憶力の維持といった正常な神経伝達の維持を手助けしてくれます。
イチョウ葉と認知症の関わり
認知症は、物事を記憶する機能が衰えることにより発症しますが、イチョウ葉にはそれを阻止する作用があります。イチョウ葉の持つ血液循環改善、神経伝達改善作用によって脳の活性化が期待できます。
しかしイチョウ葉エキスは大量に摂取すればいいわけではありません。どれだけ多く摂取するかではなく、どれだけ長い期間摂取し続けられるかが大事になってきます。そのため、他にも認知症に効果的と言われているDHA・EPAなども同時に摂取することが重要です。
まとめ
イチョウ葉エキスは認知症予防に対する効果だけでなく、肩こりから動脈硬化まで幅広い健康効果を期待できます。
一方でイチョウ葉の認知予防効果には賛否両論あるのも事実です。効果があると謳われているものの、その有用性を明確に示す科学的根拠は現段階ではありません。
しかし、肯定的な要素として45歳以上のアルツハイマー型あるいは多発梗塞性認知症患者202名にイチョウ葉エキス120mg/日を52週間投与した試験を行ったところ、26週以降でADAS-Cog(認知力スコア)及びGERRI(日常生活及び社会行動スコア)がプラセボ群と比較して有意に改善したという報告があります。このように、まだ研究段階ではありますが、その長い歴史と効能から、注目が集まる成分がイチョウ葉エキスです。