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葉酸以外に必要な栄養素「鉄分」

鉄はどんな栄養? 鉄とは、血液の主成分である赤血球に含まれる赤色素タンパク質「ヘモグロビン」の構成に必要なミネラルの一種です。「鉄(ヘム)」と「タンパク質(グロビン)」が結合したものなので、ヘモグロビンという名前がつけられました。そもそも赤血球の働きとは、赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素分子と結びつき、体中に新鮮な酸素を運ぶことです。そのため、体内の鉄分が不足するとヘモグロビンの数が減り、体中に十分な酸素を運ぶことができません。この状態を「鉄欠乏性貧血」といいます。鉄欠乏性貧血になると、運動機能や認知機能の低下、食欲不振などを招くことがあるため、どの人も適切な量の鉄を摂取する必要があるでしょう。必要な鉄分量は性別や妊娠・授乳の有無、月経の有無などの条件によって異なります。特に妊娠中は、母体の血液量が増加したり、胎児の成長にも鉄分が必要だったりと、妊娠前より多くの鉄が必要です。鉄分は体内で生成することができないので、日々の食事で積極的に補いましょう。人間は体重60kgの男性で約3g、体重50kgの女性で約2.5gの鉄を体の中に持っており、そのうち約66.7%はヘモグロビンに、10%は筋肉(ミオグロビン)に、残りは肝臓、脾臓、骨髄、腸にそれぞれ蓄積されています。このように、鉄は人間の体にとって重要な栄養素なので、すぐに取り出せるように貯蔵されていたり、再利用されたりするのです。しかし、成人男性で1日1mg程度の鉄が尿や便から排出されてしまうため、鉄の摂取が行われないと貯蔵された鉄を使うことになり、貯蔵された鉄が少なくなると貧血を起こす可能性があります。そのため、毎日食べ物から鉄分を摂取することが望ましいのです。しかし、食事で10gの鉄を摂取しても、吸収されるのはその1割程度なので、毎日の食事だけで適量の鉄を摂取することはなかなか難しいといわれています。鉄の役割は?鉄の最も有名な役割のひとつに、“赤血球内のヘモグロビンを構成すること”があります。私たちは絶えず呼吸を行って「酸素」を体の中に取り込み、その酸素が生きていくためのエネルギーをたくさん作り出すことで、日々活動ができています。酸素を体の隅々まで運んでくれるのが、血液の主成分である赤血球です。赤血球は酸素を運ぶトラックにたとえることができ、ヘモグロビンは酸素が座る座席とすることができます。ヘモグロビンは鉄とタンパク質から成り立っているので、もし鉄が不足してしまうと、ヘモグロビンの量が減ってしまい、酸素を効率良く配達することができなくなるのです。また、鉄は骨格筋や心筋で酸素の配達および貯蔵をしている「ミオグロビン」というタンパク質や、エネルギーを効率的に生み出す「チトクローム(シトクローム)」という酵素の一部としても役立っています。このように、鉄は生命を維持するために不可欠なエネルギーの生成や子どもの発育に大きく関わっているのです。鉄はいつ必要?エネルギー生成に必要な酸素の運搬に一役買う鉄分は、老若男女問わず必要な鉄ですが、妊娠中期~後期の女性にとって特に大切な栄養素です。その理由は2つあります。1. 妊娠中の女性は血液量が増えるから2.母体から胎児へ鉄を供給する必要があるから妊娠5カ月~7カ月(16週~27週)を「妊娠中期」、8カ月~10カ月(28週~39週)を「妊娠後期」といい、お腹の中で赤ちゃんがどんどん大きくなってくる時期です。妊娠中の女性は、血液量が増加し、28週〜36週頃には妊娠前の1.5倍の血液量になっているといわれています。血液量の増加に伴い、赤血球も増やす必要があるため、妊娠していないときよりも多くの鉄が必要になるのです。また、妊娠後期には、赤ちゃんの成長に鉄が必要だったり、母体の臍帯と胎盤に鉄を貯蔵したりと、赤ちゃんが元気に育つためにも鉄は使われます。そのため、妊娠初期に比べて妊娠中期~後期では2倍以上の鉄が必要になるのです。鉄はどれぐらい摂取すればいいの? 日本人の食事摂取基準(2020年版)より作成厚生労働省が発表している鉄の食事摂取基準の推奨目安は、30代の女性(妊娠なし・月経あり)の場合、1日10.5mgになっています。妊娠初期は少なめの9mgですが、これは妊娠中は月経が止まり、赤ちゃんもまだ小さく多くの鉄を必要としないためです。そして、妊娠中期〜後期は、必要な量が16mgまで増加しています。しかし、30代女性の食事摂取による平均鉄摂取量は6.8mgと発表されており、必要摂取量を大きく下回っているのが現状です。また、妊婦でも16mg必要な鉄が、実際は6.3mgしか摂取できていないという結果に。妊娠中に鉄分が不足すると、母体や胎児の死亡リスクや早産、体出生体重児が生まれるリスクが上昇すると発表されています。鉄は体内で作ることができず、食べ物から摂取することしかできないため、積極的に鉄分を含む食べ物を食べておきたいですね。ただ、鉄分は体内吸収率があまり良くないため、鉄分を含むサプリメントでの摂取も検討してみると良いでしょう。鉄の種類(ヘム鉄と非ヘム鉄の違い)鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、「ヘム鉄」は動物性食品(牛や豚、鶏、魚など)に、「非ヘム鉄」は植物性食品(ほうれん草や小松菜、プルーンなど)に、それぞれ含まれています。この2種類は、体内での吸収率が大きく異なり、「ヘム鉄」の吸収率は10~20%、「非ヘム鉄」は2~5%です。「じゃあ、ヘム鉄だけ摂ったらいいの?」と思われるかもしれませんが、2種類の鉄分の違いを理解し、どちらの鉄分もバランス良く摂るようにしましょう。ヘム鉄鉄とポルフィリン環により形成される「ヘム鉄」。ヘム鉄はもともとタンパク質にくるまれて吸収されやすい形になっているので、比較的吸収されやすいのが特徴です。動物性食品はヘム鉄を多く含み、そのなかでもレバーや赤身肉など、濃い色の肉には比較的鉄が多く含まれています。また、赤身の魚や、あさりの水煮などの貝類にも、鉄が多く含まれているので、いろんな食べ物から摂取したいですね。【ヘム鉄が多く含まれる食品】・豚レバー ・鶏レバー ・牛レバー ・牛ヒレ肉 ・カツオ ・マイワシ ・鶏卵 ・あさり ・カキ  など非ヘム鉄非ヘム鉄の吸収率は、ヘム鉄と比べると低いのが特徴です。しかし、ビタミンCや動物性タンパク質、クエン酸といっしょに摂ると、吸収率がアップするという研究結果がでています。摂り方を工夫することで、効率良く鉄分を摂取しましょう。非ヘム鉄が多く含まれている食べ物は、野菜のほかにも日本食でよく食べられている豆類や海藻類があります。【非ヘム鉄が多く含まれる食品】・小松菜 ・ほうれん草 ・枝豆・そら豆 ・乾燥ひじき ・豆乳 ・厚揚げ など鉄分を効率良く摂取するには?非ヘム鉄でも少しお話しましたが、鉄分の吸収率をアップさせるためには、鉄分の吸収を助ける食べ物といっしょに食べることと、吸収を妨げる食べ物をいっしょに食べないことの2つが大切です。鉄分と一緒に、牛乳などに含まれるタンパク質「CPP(カゼインホスホペプタイド)」をいっしょに摂ると、タンパク質が鉄と結びつき、腸での吸収を促進させる効果が期待できます。また、野菜や果物に多く含まれるビタミンCには、還元作用で鉄を吸収されやすい状態に変える効果があり、クエン酸などの果実酸もまた、「キレート作用」という、鉄分などのミネラルを包み込んで吸収しやすくしてくれる効果があります。一方、紅茶、コーヒー、緑茶などに含まれる「タンニン」、ライ麦や玄米に含まれる「フィチン酸」、イモ類やきのこ類などに含まれる「非水溶性食物繊維」は、非ヘム鉄の吸収を妨げるといわれています。(ヘム鉄の場合は気にしなくてよいという意見もあります。)可能であれば、メニューを工夫して効率的な鉄分摂取ができるのが望ましいでしょう。鉄が不足すると・・・妊娠中はもちろん、妊活期、産後など、どのステージでも大切になってくる「鉄」。妊娠期には鉄の基本的損失に加え、胎児の成長に伴う鉄の貯蔵や赤血球量の増加による鉄需要が高まり、鉄の必要量が増加します。鉄分の不足は、「原因はよくわからないが、なんとなく体調が悪い」という不定愁訴(ふていしゅうそ)と深く関係しています。また、妊娠中や産後での鉄不足は、早産や出産後の発育などに影響が出る危険性が高まり、産後うつにも深く関わりがあるといわれています。鉄が不足することで赤血球のヘモグロビンの数が減少し、酸素が十分に運べなくなるとなるのが「鉄欠乏性貧血」です。鉄欠乏性貧血では、以下の症状が挙げられます。・動悸・めまい・肩こり・頭痛・肌のかさつき・口内炎や口角炎・抜け毛や枝毛 などまた、精神発達にとっても重要な栄養素なので、以下のような症状も出ます。・注意力の低下、イライラ感・食欲不振・抑うつ感当てはまる症状はありませんか?食材に含まれる、非ヘム鉄とヘム鉄の特性を理解していても「調理するのがなかなか難しい」という方もきっと多いでしょう。きちんと摂取しているつもりでも、実はうまく吸収できずに不足していることもあるため注意が必要です。特に妊娠中に貧血を引き起こすと、お腹の中の赤ちゃんに影響がでることがあるので、健康な身体を維持できるよう心がけましょう。貧血が起きると・・・先ほどもお伝えした通り、妊娠中は多くの鉄が必要となり、想像以上に鉄が消費されています。体内の鉄は、摂取してもすぐには増えない仕組みになっていて、体内の鉄を増やすために数ヶ月〜1年もかかります。そのため、妊娠前と妊娠初期〜後期の鉄欠乏の予防はとても重要です。鉄が不足すると、貧血になりますが、初めは無症状の人も多く、気がつきにくいかもしれません。鉄欠乏が進んでいくと、動機やめまい、息切れ、頭痛、倦怠感などの自己症状が表れ、重度の貧血になると「妊娠高血圧症候群」へのリスクが高まり、「分娩時の出欠量の増加」や「産後の回復が遅くなる」、「母乳の出が悪くなる」などの症状がでる可能性があります。また、胎児の発達や早産のリスクも高まるでしょう。出産では母体から多くの血液が失われるため、貧血はさらに悪化することが予想されます。その結果、産後うつを発症する可能性もあるのです。鉄不足は母体だけでなく、子どもへの影響も大きくなります。通常、赤ちゃんは生後~6カ月までで使う鉄分を貯蔵して生まれてきますが、母体の鉄が不足していると、生まれてきた赤ちゃんに貯蔵されている鉄が少ない可能性もあるのです。出産後の「乳児期」は、一生の中で最も細胞が増える時期といわれており、脳神経はこの時期に形成されていきます。神経細胞形成には鉄が不可欠で、この時期に鉄などの栄養素不足で神経細胞がうまく形成されないと、認知発達障害や行動発達障害が残る可能性があると考えられています。ママ自身や生まれてくる赤ちゃんのためにも、鉄分を積極的に摂取できる食生活を心がけましょう。食事で鉄分を摂取しきれないときは、サプリメントでの摂取も検討してみてくださいね。まとめ妊娠中の女性と赤ちゃんにとって、特に重要な栄養素である「鉄分」。鉄分が不足すると、酸素を体中に運んでくれるヘモグロビンの数が減り、その結果引き起こるのが鉄欠乏性貧血です。妊娠中に貧血になると、動機やめまいといった日常生活に支障をきたすものから、胎児の発達遅延や早産のリスクも高まります。妊娠中は特に鉄分が必要なため、きちんと摂取しているつもりでも、気づかないうちに鉄不足になっていることも多いので注意が必要です。食事に気をつけ、サプリメントで上手く補いながら、効率的に鉄分を摂取すると良いでしょう。参考文献市立御前崎総合病院コラムe‐ヘルスネット「鉄」e‐ヘルスネット「Hb」日本人の食事摂取基準(2020年版)eJIM「鉄」東京都国民健康保険団体連合会

葉酸以外に必要な栄養素「ビタミンB1」

ビタミンB1はどんな栄養素?そもそもビタミンは、体内で十分に合成することが難しいため、食物などから摂取する必要があります。脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられ、ビタミンB1、B2などのビタミンB群は水溶性ビタミンに分類されます。ビタミンB群とは多くの物質からなる化合物で、「ビタミン複合体」とも呼ばれています。ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、葉酸(ビタミンB9)、ビオチン(ビタミンB7)の8種類からなり、生きるために必要なエネルギーを作ります。3大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質は、十分なエネルギーを生み出すことはできないため、ビタミンB群の分解や代謝のサポートを受けることで、体の機能を維持するために必要なエネルギーを作り出しているのです。しかしアルコール、妊娠や授乳、ストレスなどによってビタミンB群が足りなくなることがあります。不足すると栄養素をエネルギーに変えることができず、疲れやすくなり心身の健康に影響を与えてしまうのです。ビタミンB群のなかでも、ビタミンB1は、体の活動の源となる栄養素で、糖をエネルギーに変換する際に役立ちます。脳神経の働きもサポートしており、疲労回復にも大きな役割を果たします。特にエネルギー需要の高まる妊娠中や授乳中は、エネルギーの生成に関連が深いビタミンB1、B2の摂取量を増やす必要があります。さらに妊娠中、つわりの症状が重く栄養を十分に摂取できないときは、ビタミンB1が欠乏しやすく、重要な神経学的後遺症を発症する可能性があるので注意が必要です。ビタミンB1の役割は?ビタミンB1は胎児の育成や母乳の生成のサポートをするため、妊娠中や授乳中には特に欠かせない栄養素です。さらに胎児の神経細胞形成にも必要な栄養素で、ビタミンB1が著しく欠乏すると、奇形性を引き起こす可能性があるとも言われています。またつわりを予防する働きもあるという研究もあります。つわりは一般的に妊娠4~7週ではじまり、14週までには落ち着きます。症状が悪化すると食物摂取が損なわれて代謝異常を起こします。この状態を妊娠悪阻といいます。強く症状が出る女性の特徴としては、前回の妊娠でもつわりがひどかった場合や、双子の場合などと言われています。これらを予防するためには、マルチビタミン(ビタミンB、C、D、E、葉酸など)が推奨されており、特にビタミンB1、B6が重要と言われています。授乳中は母親の栄養は母乳となり赤ちゃんの栄養になるため、成人女性のエネルギー所要量は1日1,700kcal~1,750kcalですが、授乳中は350kcal多くエネルギーを必要とします。母乳にはビタミンB1も分泌されており、赤ちゃんの健康のためにビタミンB1は欠かせません。必要なエネルギー量が増え、妊娠中や授乳中はお腹がすきやすい時期ですが、食欲につられて甘いものや脂質を多く摂取していますとカロリー過多となってしまうため、必要な栄養素をバランスよく摂取する必要があります。ビタミンB1はいつ必要?ビタミンB1は、成人女性は約0.22mg足りておらず、一般的にも不足しているため食物やサプリメントで補う必要があります。しかし、妊娠中・授乳中は通常時よりもさらに多く推奨量が設定されているため、約0.42mgも不足しているのです。妊娠中や授乳中はより意識的にビタミンB1の摂取をすることをおすすめします。ビタミンB1はどれくらい摂取すればいいの?妊娠中や授乳中の女性はビタミンB1の必要量が増え、成人女性よりも多く摂取する必要があります。それぞれの摂取推奨量、またどのような食材から摂取できるのかをご紹介します。摂取推奨量以下の表はビタミンB1の女性における一日あたりの平均摂取量と、推奨摂取量です。妊娠中・授乳中の女性はビタミンB1の摂取推奨量が成人女性と比べて0.2mg多くなります。しかし現状は一日の平均摂取量が成人女性とあまりかわりません。そのため成人女性も摂取推奨量に少し足りていませんが、妊娠中の女性や授乳中の女性はさらに不足しているということがわかります。ビタミンB1が含まれている食材ビタミンB1が豊富なおすすめの食べ物について、動物性と植物性にわけて以下の表にまとめました。動物性の食べ物では、豚肉が代表的です。そのためヴィーガンの方はビタミンB1が不足しやすくなります。以下のビタミンB1の豊富な植物性の食べ物を食卓に取り入れるなどして、摂取を心がけましょう。ビタミンB1を効率よく摂取するには、主食は白米より玄米がおすすめです。またパンは、全粒粉のものがおすすめです。豆類を摂取する場合、一度にたくさんの量を摂るのは難しいですが、手軽に取り入れやすく、毎日でも摂取できるというメリットがあります。またビタミンB1を摂取する際には、調理方法に十分に気をつけなければなりません。ビタミンB1はニンニクやタマネギなどに含まれているアリシンと結合してアリチアミンになると、吸収率が高くなります。しかし、熱に弱いため、調理による損失が大きいといった欠点があります。食品はできるだけ新鮮な物を選び、生で摂るようにすると無駄なくビタミンB1を摂取することができます。このように多くの食物に含まれていますが、体に貯蔵できず排泄されやすいため、知らない間に不足している場合もあります。ビタミンB1が不足すると(リスク)ビタミンB1はアルコールをよく呑む人、スポーツをする人、ストレスの多い人は不足しやすい傾向にあります。一般的なビタミンB1不足の症状は倦怠感・だるさ肩こり手足のしびれ食欲低下むくみ記憶力の低下集中力の低下脚気(イライラ、むくみ、食欲低下、しびれ、歩行障害)ウェルニッケ脳症(倦怠感、ふらつき、物忘れ、意識障害)乳酸アシドーシス(吐き気、嘔吐、呼吸障害)などがあります。妊娠中、授乳中におこりやすい症状はむくみ食欲不振便秘神経炎などがあります。つわりなどで絶食状態が続くとビタミンB1欠乏症からウェルニッケ脳症を引き起こす可能性があります。妊娠中・授乳中はマイナートラブルが多くなりがちな時期なので、栄養素の欠乏による食欲不振や便秘は防ぐ必要があるでしょう。ビタミンB1が不足すると多くの症状が現れますが、取り過ぎても体に貯蔵できず排泄されやすいため、過剰摂取になる心配はありません。まとめこのようにビタミンB1は妊娠中や授乳中の女性、胎児の健康に欠かせない栄養素です。しかし、食べ物から必要量を摂取するのが難しく、妊娠中や授乳中に必要とされる「ビタミンB1」を摂取するためには豚肉や白米、「鉄」を摂取するためには牛肉や納豆、「亜鉛」を摂取するためには牡蠣や赤身の肉などと、それぞれ摂取できる食べ物がバラバラで毎日の食事を考えるのがとても大変です。そのため、サプリメントで必要な栄養素を正確に簡単に摂取するのも体調管理の一つの手段になるのではないでしょうか。参考文献”日本人の食事摂取基準(2020年版)”厚生労働省”令和元年国民健康・栄養調査報告”厚生労働省“ビタミンB1の働きと1日の摂取量”健康長寿ネット”栄養教養学部/カラダ整え学科 ビタミンB1”栄養素カレッジ”ビタミンB1”glico“ビタミンB1の効果とは?豊富に含まれている食べ物まで解説”健康ねっと”ビタミンB1を含む食品とは?おすすめの食品や効果を解説!”健康ねっと”ビタミンB1"あくつクリニック”「ビタミンB1」(チアミン)の働きとは?役割や含まれる食べ物、一日の摂取量について解説”SNUTRY”ビタミンB解説”国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所”糖質をエネルギーに変え、元気をつくるビタミン”大正健康ナビ”【管理栄養士監修】ビタミンB1とは?働き・摂取量・食品について”Nestle“ビタミンB1 含まれる食べ物は?妊活・妊娠中に必要?”elevit“妊娠中のビタミン剤やサプリメント 院長コラム#010”MCL”ビタミンB1、B2”ベビーカレンダー“妊活・妊娠中に妊活に必須の成分解説【2022年最新版】”JinekoShop“Q:つわりがひどいです。対処法はありますか?”医療法人小塙医院“これで安心!妊娠中に感じやすい不安のワケと解消法を教えます【医師監修】”ヒロクリニック”授乳期は食生活にも気くばりを”小阪産病院”ビタミンB群ってどんな栄養素?取りすぎは体に悪いってほんと?摂取目安についても解説”スマート脳ドック”5.ビタミン”愛知県薬剤師会”川崎医大川崎病院産婦人科院長 田中雅彦”⑵つわりと妊娠悪阻”岡山の医療健康ガイドMEDICA

葉酸以外に必要な栄養素「DHA」

DHAはどんな栄養素?「日本人の食事摂取基準(2020年版)脂質」を元に作成まずは、DHAとは何なのかを紐といていきましょう。DHAの正式名称は「ドコサヘキサエン酸」といい、不飽和脂肪酸のひとつです。脂肪酸とは、脂質の主な構成要素で、動物性の脂肪に含まれる「飽和脂肪酸」と、植物や魚の脂肪に含まれる「不飽和脂肪酸」の2種類から成り立っています。さらに、不飽和脂肪酸には「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」があり、DHAは多価不飽和脂肪酸の「n-3系脂肪酸(通称:オメガ3)」に分類されている栄養素です。DHAは、脳や神経細胞、精子などに多く存在し、記憶力や血流の改善、アレルギーの予防などに効果があるといわれています。「脂肪」や「脂質」と聞くと、「太る」「体に悪い」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、脂質は「糖質」と「タンパク質」に並ぶ3大栄養素のひとつであり、活動のエネルギー源体となったり、細胞膜や核膜を作ったりする、とても大切な栄養素です。脂質のイメージの悪さは、肉や乳製品などの飽和脂肪酸の摂りすぎによる肥満や病気といった健康リスクや、マーガリンなどに含まれ、極力摂取しないほうが良いとされているトランス脂肪酸に由来していると推測できます。つまり、トランス脂肪酸以外の脂質を適量に摂取することは体にとって好ましい状態なのです。さらに、DHAは脳の活性化を促したり、動脈硬化や血栓を防いだり、脂肪燃焼を促したりするなど、さまざまな効果が期待できるため、積極的に摂りたい栄養素といえるでしょう。また、DHAは「必須脂肪酸」と呼ばれる体の中で合成することができない栄養素なので、食事から摂る以外、体の中に入れることはできません。DHAを含む食べ物を知り、選ぶことで積極的に摂取しましょう。DHAの役割は?次に、DHAの持つ役割について詳しく見てみましょう。【DHAの持つ役割】・脳の神経細胞の情報伝達を促す・体内の免疫反応を調整する・脂肪燃焼を促す・血管壁の細胞膜を柔らかくする多くの人が持つ「DHAを摂れば頭が良くなる」というイメージは、DHAの“脳の神経細胞の情報伝達を促す”という役割から来ているのがお分かりいただけるでしょう。そのほかにも、血液の流れを正常に保ったり、脂肪を燃焼させたりと、体にさまざまな良い影響がある栄養素なのです。そのため、DHAを適切に摂取し続けると・アレルギー疾患・皮膚炎・肥満・高血圧・動脈硬化・記憶力や認知能力などの予防と改善に効果が期待できるといわれています。DHAの役割を聞くと、「大人こそ摂りたい栄養素だな」と思われるかもしれませんが、胎児や乳幼児といった子供にとっても、DHAは脳や神経の発達に必要な大切な栄養素のひとつです。さらに、妊娠期にDHAを含むオメガ3脂肪酸を追加摂取することで、早期産児数が減少したり、低出生体重児が生まれる確率が低下したりする可能性があるという研究結果もでています。DHAはいつ必要?DHAは、脳細胞の活性化や血流の改善が期待できるなど、さまざまな働きを持つため、どの年代の人でも積極的に摂りたい栄養素のひとつです。特に胎児発生期間や胎児発育期間の妊婦の方と授乳期の女性は、積極的に摂取すると良いでしょう。前述したように、妊娠期にDHAを摂ることで、早産や低体重児出産のリスクを下げる効果が期待でき、また授乳期の母親が摂取することで母乳中のDHA濃度が高まり、栄養価の高い母乳を赤ちゃんに届けることができます。DHAが胎児や乳児期の赤ちゃんの成長に大切な栄養素であることは生物学的に証明されており、DHAが栄養補助成分として添加されている乳児用ミルクも多く販売されています。妊娠中や授乳中の女性は、必要カロリー内に収まるように摂取することを目指しましょう。ただし、人体や胎児に害を及ぼす可能性があるメチル水銀の含有量が低い海産物などから摂取するなど、どの食べ物から摂取するかも大切です。DHAはどれくらい摂取すればいいの?目安となる摂取量は?DHAのみでの食事摂取基準値は決められていませんが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、DHA・EPA・DPA・α-リノレン酸を合わせたn-3系脂肪酸としての目安量が示されています。1日の摂取目安量:30~49歳女性…1.6g/日(授乳婦は1.8g/日)さまざまな種類の海産物を、週に8から12オンス(約224gから336g)ほど摂取することが望ましいとされています。文部科学省の「日本食品表示成分表2020年版」を見てみると、スーパーでよく売られているサバの水煮缶は、可食部100gに対しDHAが1.3g含まれています。メーカーによって差はありますが、サバ缶は1缶につき内容量が150g〜200gのものが主流なので、1日にサバ缶を2/3〜1缶程度食べれば、授乳中の女性であっても1日のDHA摂取目安量を十分達成できそうですね。何を食べたら良いの?DHAは脂肪が多い魚や甲殻類に多く含まれています。【DHAを含む食べ物の一例】脂肪が多い魚:サバ、マグロ、いわし、サンマ、マスなど甲殻類:カニ、ムール貝、牡蠣などサバ類やいわし類といった青魚には、DHAが多く含まれていると覚えておきましょう。旬のものには栄養価が多く含まれているので、秋はサンマやサバ、いわし、冬はマグロというように、新鮮な旬のものを積極的に摂りたいですね。DHAは熱に弱いため、お刺身として食べるのがおすすめです。手軽に手に入り、調理せずに食べられるサバやいわしの缶詰も常備しておくと便利でしょう。サバやいわしの缶詰に入っている汁にも、DHAが含まれています。汁は、もちろんそのまま飲んでも大丈夫ですが、味噌汁のだし汁やパスタや炒め物でも使えるため、捨てずに活用すれば効率良く摂取できますね。また、DHAは酸化しやすいので、抗酸化作用のあるビタミンCやEと一緒に摂るのが理想的です。海産物でDHAを摂取する際に注意してほしいのが、メチル水銀の含有量。メチル水銀は食物連鎖によって濃縮されていき、大型の魚の中には高濃度のメチル水銀を含んでいるものも多くいます。人が食べ物からメチル水銀を摂取すると、一定期間体内に蓄積されますが、その後尿や便などから排出されるため、普通の食事からメチル水銀の影響を受けることはほぼありません。しかし、大量のメチル水銀を妊娠期の女性が摂取した場合、摂取したメチル水銀が母体を通じて胎児にまで届いてしまい、神経の発達に影響を及ぼす可能性があります。そのため、妊娠中や授乳中の女性は、白マグロ(ビンナガマグロ)なら週に6オンス(約168g)以内が摂取目安とされています。また、メチル水銀を多く含むアマダイ、メカジキ、サメ、キングマッカレルなどは食べるべきではありません。「毎日青魚ばかり食べられない」「そうはいってもメチル水銀が不安」「つわりで魚の匂いが気になる」という人は、サプリメントでDHAを補うことも視野に入れると良いでしょう。DHAが不足すると(リスク)DHAは、体にとってさまざまな良い働きをしてくれるため、不足するとさまざまなリスクを引き起こす可能性があります。【DHAの不足によって起こるリスク】・血管障害・中性脂肪の増加・皮膚炎・記憶力や学習能力の低下・胎児・乳児期の脳の発育に影響上記のように、さまざまな健康障害や発達に影響が起こる可能性があります。妊娠期や授乳期を始め、DHAはどの年代でも積極的に摂っていきたい栄養素であるということがお分かりいただけるでしょう。食生活を見直すと共に、サプリメントでの摂取も検討しながら、効率良くDHAを摂取し、母子共に健康な体を目指しましょう。まとめ脳細胞の活性化や脂肪燃焼の促進だけでなく、胎児や乳児の脳の発達に影響を与え、早産や低体重児出産の確率を低下させる可能性もあるDHA。しかし、DHAは体内で作ることができないため、食事から摂取することが不可欠です。DHAは青魚に多く含まれますが、青魚の中には人体や胎児に害を及ぼすメチル水銀を多く含むものもあるため、食べ物を選ぶ際は気をつけなくてはなりません。食事にも気を配りつつ、足りない部分はDHAのサプリメントで補うのもひとつの手段といえるでしょう。参考文献・e‐ヘルスネット「不飽和脂肪酸」・株式会社食環境衛生研究所「食環研コラム」・農林水産省「脂質による健康影響」・eJIM「オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと」・コクラン「妊娠期のオメガ3脂肪酸の追加摂取」・日本人の食事摂取基準(2020年版)・文部科学省「日本食品表示成分表2020年版」・内閣府 食品安全委員会事務局「食品から摂取する水銀と、その人体への影響とは?」 

葉酸以外に必要な栄養素「亜鉛」

亜鉛はどんな栄養素?体内には特別な亜鉛の貯蔵システムがなく、亜鉛を作り出すこともできません。そのため定常状態を維持するためには亜鉛を毎日摂取することが必要です。亜鉛は多くの食物に含まれますが、サプリメントで摂取することもできます。風邪薬として販売されている多くの風邪用トローチや一部の市販薬にも含まれています。亜鉛は体内に約2g含まれ、そのほとんどが筋肉と骨中に含まれます。他にも皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在します。亜鉛の役割は?亜鉛には風邪を予防する効果や、美肌・美髪効果なども期待されています。またそれだけではなく、活性酵素を抑制する効果があるため、生殖機能の老化を予防する働きもあります。亜鉛は妊活中の男女、妊娠中の女性、胎児や乳児の発育や生命維持にも非常に重要な役割を果たしているのです。健康的な体を維持することが重要であるため、免疫力を高める亜鉛は欠かせない栄養素の一つです。男性の場合は精子量の増加や、精子の運動率の低下予防といった効果があり、「精子をつくるミネラル」「セックスミネラル」とも呼ばれています。一方で、不足するとDNAが正しく分裂できず、傷のあるDNAが発生し不健全な精子が作られてしまう可能性も高まります。女性の場合、ホルモンバランスを整える、生理痛を軽減する、生理不順を改善するといった効果が期待されます。亜鉛は下垂体で作られる卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの働きを高めています。これらの働きが弱いと卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌量が低下し、卵胞の成長が遅れる、排卵が遅くなる、無排卵月経が起こる、子宮内膜の成長が不足するまたは遅くなる、子宮内膜を保つ働きが低下するリスクがあります。このように妊活中・妊娠中の女性に亜鉛は必要不可欠です。また細胞分裂が活発な胎児の成長にも重要です。亜鉛はいつ必要?もちろん妊活中の夫婦にも必要ですが、特に妊娠中の女性は、鉄分やカルシウムなどと同様に亜鉛も不足しやすくなる傾向にあります。成人女性の平均摂取量は摂取推奨量より少なく、さらに妊娠中は摂取推奨量も増えるため、亜鉛の摂取量をさらに増やす必要があります。亜鉛はどれくらい摂取すればいいの?摂取推奨量は成人女性と妊娠中の女性では異なります。また男女でも異なり、男性は女性よりも多く必要になります。亜鉛の摂取方法としては肉類、魚介類が主にあげられます。ではそれぞれどのくらい、どのように摂取したら良いのでしょうか。推奨摂取量男女ともに一日の摂取量が推奨量を下回っており、近年亜鉛不足が指摘されています。亜鉛の一日の推奨量は、成人男性では約12mg、成人女性で約9mgとされています。妊娠中・授乳中は亜鉛の必要量が増えるため、通常より2mg多く摂ることが推奨されています。しかし亜鉛の平均摂取量は成人男性で9.2mg、成人女性で7.7mgです。亜鉛を過剰摂取した場合、嘔吐、食欲不振、下痢などの体の不調を起こしてしまう可能性があるため気をつけなければなりません。鉄や銅の吸収を妨げ、貧血の原因になります。また亜鉛はクエン酸やビタミンC、動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収が高まる一方で、インスタント食品や穀類、豆類に含まれるフィチン酸やコーヒーや緑茶に含まれるタンニン、ほうれん草などに含まれるシュウ酸は吸収を妨げます。これらを摂る場合は、時間をずらすなど工夫をしましょう。亜鉛が含まれている食材亜鉛が含まれている食材として牡蠣鶏肉カニロブスターチーズなどがあります。生牡蠣は、亜鉛が100gあたり14.5mgと多く含まれていて最良の亜鉛摂取源です。赤身の肉、鶏肉、カニやロブスターなどの魚介類および朝食用栄養強化シリアル類にも亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛は肉類や魚介類などに多く含まれていますが、食物繊維や青菜に含まれるシュウ酸は亜鉛の吸収を阻害するためベジタリアン、ビーガンなどは不足しやすくなります。菜食主義者は特に多くの亜鉛を摂取する必要があります。また加工食品に多く含まれる食品添加物が、亜鉛の吸収を阻害し、亜鉛欠乏になる場合もあるため注意が必要です。亜鉛が不足すると(リスク)不足する原因は主に偏った食事や、極端なダイエット、アルコールの摂取があげられます。亜鉛が不足すると、貧血下痢脱毛皮膚炎体重減少食欲不振免疫力低下味覚障害神経感覚障害など多くの症状が現れます。また、乳児および小児の成長の遅れ生殖機能の低下男性インポテンス男性の性腺機能低下などのリスクもあるため、男女ともに妊活中、妊娠中は亜鉛は欠かせません。妊娠中の女性は特に最低限の亜鉛摂取量で妊娠が開始した場合、胎児の亜鉛必要量が多いことからも、亜鉛不足になるリスクが高くなります。まとめ亜鉛は、妊活中の夫婦、妊娠中の女性、また胎児の健康のためにも欠かせない栄養素です。食事での摂取が理想的ですが、サプリメントで摂取すれば、不足することも過剰になることもなく、必要量を「簡単に」「正確に」摂取することができます。妊活中、妊娠中だからといって、食事を気にしすぎずストレスなく摂取できるためサプリメントでの摂取がおすすめです!参考文献eJIM 厚生労働省eJIM 厚生労働省厚生労働省令和元年国民健康・栄養調査 厚生労働省“清涼飲料水評価書 亜鉛” 厚生労働省公益財団法人長寿科学振興財団“亜鉛の働きと1日の摂取量”健康長寿ネット“亜鉛”LaBelle Vie“不妊症と亜鉛”TOZAI PHARMACY GROUP“亜鉛が豊富な食べ物は?手軽にしっかり亜鉛を摂取する方法”家族の介護と健康を支える学研の情報サイト“亜鉛が多い食材は?亜鉛を多く含むおすすめレシピもご紹介”dmarket“亜鉛不足は怖い!起きる症状や原因を解説します”POWER PRODUCTION“亜鉛は男性妊活に欠かせない栄養素”elevit“亜鉛が妊婦や妊活中の男女に与える効果とは”BELTA

葉酸以外に必要な栄養素「マグネシウム」

マグネシウムはどんな栄養素?妊娠中に必要な栄養素として、葉酸、鉄分、ビタミンB群、カルシウムに加えてマグネシウムが挙げられます。しかし、一般的にもマグネシウムの重要性に対する国民の認知が遅れていて、カルシウムと比較すると研究が進んでおらず「孤立栄養素」と呼ばれています。そのため現代人の多くがマグネシウムの慢性的な摂取不足に陥っているとされています。しかし近年では生活習慣病の予防や妊娠中の女性の健康に不可欠であるとして注目が高まってきているのです。マグネシウムの役割は?現代人の心身の健康のために欠かせないと言われているのが「マグネシウム」です。マグネシウムはミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持ちます。ミネラル成分は炭水化物や脂質、そしてタンパク質やビタミンと並んで5大栄養素のひとつと言われており重要な位置づけにあります。そもそも、人体にとって必須のミネラルは16種類あると言われ、このうちマグネシウムもカルシウムやカリウムなどと並んで主要なミネラルのひとつです。また妊娠中にマグネシウムを十分に摂取することは、胎児の発育遅延、妊娠高血圧症候群、低出生体重児、子宮筋収縮・抑制や悪阻を防ぐという研究結果も出ています。マグネシウムはいつ必要?マグネシウム不足は、摂取不足・吸収不良・排泄増大により起こります。マグネシウム喪失性利尿薬の長期使用や生活習慣病、アルコール中毒の際に腎臓からの排泄が増加し、マグネシウム不良が見られますが、通常の食事をしている健康な人では不足することはあまりありません。 一方で、妊娠中の女性の1日あたりのマグネシウム平均摂取量は、女性の平均摂取量と比べると30mgも減少し、妊娠中女性のマグネシウム1日あたりの摂取推奨量は女性の摂取推奨量と比べると40mgも増加します。妊娠中は1日の平均摂取量が減り、摂取推奨量は増えるため、マグネシウムが不足しやすくなります。しかし、マグネシウムの摂取を意識する妊婦さんはほとんどいないのが現状です。マグネシウムはどれくらい摂取すればいいの?マグネシウムは基本的に体内で十分な量を作ることができないため、食品やサプリメントから摂取する必要があります。ではどのくらいの量をどのように摂取したら良いのでしょうか。マグネシウムの摂取推奨量と含まれる食材をご紹介します。摂取推奨量厚生労働省によると、女性のマグネシウム一日あたりの摂取推奨量は「310mg〜320mg」、妊娠中女性は「350mg〜360mg」です。一方で、女性の1日の平均摂取量は235mg、妊娠中の女性は205mgです。女性は25%、妊娠中の女性は42%も不足しているのが現状です。マグネシウムが含まれている食材マグネシウムは、藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などに多く含まれています。マグネシウムが含まれている食材として、牛乳チーズヨーグルトほうれん草ナッツなどがあります。 マグネシウムは、特に藻類に多く含まれています。食材100gあたりのマグネシウム含有量が多い食べ物をランキング形式で第10位までご紹介します。マグネシウムが不足すると(リスク)マグネシウムが不足すると、骨粗鬆症糖尿病神経過敏抑うつ感マグネシウム欠乏症(食欲不振、悪心、嘔吐、しびれ、人格変化)などの症状があらわれます。妊娠中には悪阻妊娠高血圧症候群胎児の発育遅延低出生体重児子宮筋収縮・抑制などの原因になります。食欲不振、吐き気、嘔吐などのつわり症状は、頻回に嘔吐を繰り返すと、脱水、体重減少など妊娠悪阻へと重症化するので注意が必要です。妊娠悪阻とは、妊娠中に嘔吐と著しい食思不振が生じることで脱水状態や栄養不足に伴う代謝障害を引き起こす病気のことを意味します。妊娠の約1%程度に発症し、点滴投与など適切な治療を受けないと脳や肝臓などの臓器に障害を引き起こして胎児へも影響を及ぼすことも往々にして認められます。妊娠高血圧症候群とは妊娠20週以降、分娩12週までの高血圧がみられる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合で、これらの症候が偶発合併症によらないものをいいます。妊娠高血圧症候群の中で、母胎と胎児に最も悪影響を及ぼすのが高血圧です。重症化すると胎児への重篤な影響があらわれるだけではなく、分娩後も症状が持続する場合があります。 悪阻、妊娠高血圧症候群はマグネシウムが血液中で不足することによって発生するのではないかと考えられています。これらを防ぐためにマグネシウムを十分に摂取することが必要です。母子保護法第6条で、「未熟児とは、身体の発育が未熟のまま出生した乳幼児であって、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものをいう」とされています。世界保健機関(WHO)は出生体重2,500g未満を未熟児と呼んでいましたが、現在では低出生体重児と呼んでいます。このような胎児の体重増加不良は母体のマグネシウム欠乏も1つの要因ではないかという研究結果も出ています。若い女性のやせ願望によるダイエットに拍車がかかり、母親になるべき女性の栄養バランスのみだれが原因と考えられます。 また過剰摂取も気をつけなければなりません。マグネシウムの過剰摂取は下痢、不整脈や心不全などにつながります。サプリメントで摂取する場合、成分表をよく確認して適切な量を摂取することが大切です。まとめマグネシウムは妊娠中の女性や胎児の健康のために妊娠中には特に欠かせない栄養素です。しかし妊娠中は葉酸、鉄分、ビタミンB群など他の栄養素も摂取しなければなりません。野菜をたくさんとって、乳製品、小魚などもとってなどと考えていたらとても大変です。さらに体を冷やさないように、風邪を引かないようになど他にも気をつけなければならないことがたくさんあります。サプリメントで、食事では補いきれない必要な栄養素を手軽に摂取することをおすすめします。参考文献eJIM 厚生労働省e-ヘルスネット 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2020年版)総論令和元年国民健康・栄養調査 厚生労働省恩田威一, “悪阻とマグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、塩素の関係” Medical Note“No.043 妊婦さんに必要な栄養素” 田中消化器科クリニック“妊婦がマグネシウムを摂取する意義” MAGNESIUM DATABASE“妊娠悪阻にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性” MAGNESIUM DATABASE高屋淳二, “胎児とマグネシウム” oh-kinmui.jp“2019(令和元)年国民のマグネシウム摂取量” MAG21研究会“これだけは知っておきたい!7つのマグネシウムの基礎知識” MAGNESIUM DATABASE公益財団法人長寿科学振興愛団“マグネシウムの働きと1日の摂取量” 健康長寿ネット青木将大, “マグネシウムの食べ物・食品ランキングTOP100”くすりの健康日本堂“国民健康・栄養調査” 厚生労働省国立研究開発法人, “マグネシウム概説” 「健康食品」の安全性・有効性情報“女性にやさしい職場づくりナビ「つわり」”厚生労働省委託 母性健康管理サイト“女性にやさしい職場づくりナビ「妊娠高血圧症候群」”厚生労働省委託 母性健康管理サイト“低出生体重児保護指導マニュアル”みずほ情報総研株式会社

葉酸サプリはなぜ必要?葉酸サプリを選ぶ時期やおすすめポイントをご紹介。

葉酸とはどんな栄養? 葉酸は赤血球の形成や赤ちゃんの正常な発育に必要なビタミンB群の一種で代謝に関係し、DNA・RNAやたんぱく質の生合成を促進する栄養素です。水溶性という特徴があり、体には蓄積されにくく、熱に弱いため、調理方法によっては50%近くが分解されてしまいます。葉酸が赤ちゃんに与える影響妊娠初期は、胎児の細胞分裂がさかんに行われます。そのため妊娠直後は、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の発症リスクが高い時期でもあります。妊娠前から葉酸を十分に摂ることで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができるとされています。また葉酸には赤血球の形成を助ける働きもあります。神経管閉鎖障害とは?子宮内の赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管に障害が起こる先天異常の事を言います。神経管は板状の物の両端がくっついて閉鎖し、管状の形ができるのですが、赤ちゃんの成長とともに頭の方は脳、お尻の方は脊髄になります。先天異常とは、その一部がうまく閉じないために起こる病気です。神経管の頭側に障害が起こった場合、脳が形成不全となって「無脳症」となり、流産や死産の割合が高くなります。お尻側に障害が起きると「二分脊椎」となり、さまざまな神経障害が起こる可能性が出てきます。葉酸はいつから必要?赤ちゃんの臓器が形成される時期は妊娠3週〜8週頃とされており、ほとんどの人は妊娠を自覚していません。そして、妊娠とわかったタイミングでは、すでにお腹の中で細胞分裂が始まっています(妊娠0日目は前回の生理のタイミングなので、次の生理が分かる頃にはもう4週になっていますよね)。こうして、気付かない間に赤ちゃんの脳や脊髄の元となる神経管は形成されているのです。この事から、葉酸は「妊娠前からの摂取(妊娠を計画したその時から積極的に取り入れていくこと)」が望ましいとされています。(厚生労働省では、妊娠1ヶ月以上前からの葉酸摂取を推奨しています。)葉酸が母体に与える影響 お腹の赤ちゃんのために飲む」という印象が強い葉酸ですが、実は妊婦さんにも嬉しい効果がたくさんある事をご存知でしたか?貧血を予防する妊娠中、母体の血液中の栄養素は赤ちゃんの成長のために使われるため、血液が薄くなり、貧血を引き起こしやすくなります。貧血によるふらつきや転倒は、妊婦さん自身はもちろん赤ちゃんにとってもとても危険です。葉酸はビタミンB1とともに赤血球をつくるはたらきを担っているため、葉酸を充分に摂取することで貧血を予防し、思いがけない事故を防ぐことができます。血管の機能を改善し、妊娠高血圧症の発症を予防する可能性がある貧血と共に妊娠中に気をつけたい「妊娠高血圧症」。妊娠高血圧症は、胎盤機能が低下し、胎児への酸素や栄養の供給が低下することで、胎児発育不全や胎児低酸素が起こりやすくなる状態です。母体だけではなく胎児の状態も悪くなるのが妊娠高血圧症なのです。葉酸は、動脈硬化を予防し、血圧の上昇を防ぎます。血管の機能を改善することで、妊娠高血圧症の発症を予防する可能性があるのです。精神的な安定をもたらす妊娠中は出産に対する不安や、日々変化する体調へのストレス、身体を思うように動かせないもやもやなど、精神的に不安定になりやすい時期でもあります。妊娠によりホルモンバランスの変化も影響しているでしょう。葉酸を摂取することで、“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンの分泌量が増えることが確認されています。この事から、ストレスを軽減させたり、気分を落ち着かせたりといったはたらきも期待できるでしょう。葉酸を食べ物で摂取するのは難しい?厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準によると、葉酸の1日当たりの摂取推奨量は「成人男女:240µg(マイクログラム)」とされています。葉酸が多く含まれる食品の一例は以下の通りです。ほうれんそう(茹で) 110μg /100gブロッコリー(茹で) 120μg /100g枝豆(茹で)     260μg /100g菜の花        340μg/100gブロッコリー     210μg/100g納豆         120μg/100gいちご         90μg/100g鳥レバー       1300μg /100g牛レバー       1000μg /100g豚レバー       810μg /100g毎日、食事で野菜を摂取していれば葉酸が不足することはあまりありませんが、妊娠を考えている、また妊娠初期の段階にある女性は、480 µgの摂取が推奨されています!先に紹介した通り、葉酸は水に溶けやすく、光と熱に弱いこと。野菜を水洗いしたり火を通したりすると葉酸が分解され、効力を失ってしまうのです。食材から得られる葉酸は、800μg取ったとしてもの400μgしか吸収されません。ほうれん草で計算すると、約14株も必要となるため、食材からのみで妊活、妊娠中、授乳中に葉酸を取り入れるのはとても大変。また葉酸を取り入れるために、ほかの栄養素が不足したり過剰摂取したりするおそれもあります。※ほうれん草1株 28.6g(可食部 25.7g)とする※100gの葉酸は210μg, 茹でた場合110μgとするこれだけの量を食品から摂取するのは大変難しく、サプリメントなどで付加的に葉酸を摂取することが望まれています。ただしサプリは食品より体内に吸収されやすいため、摂取量を守って上手に利用しましょう。妊活中〜、妊娠中〜、産後〜、葉酸の他に取るべき栄養はこれ!栄養素は、1つの成分だけをたくさんとっても効率よく働くことはできません。そのため、妊活期から必要と言われている「葉酸」や「鉄」以外にも幅広い栄養素をバランスよく摂取することかがとても大切です。では、必要な栄養素とはどのようなものなのでしょうか?代表的な栄養素を例にご説明します。必要な栄養素女性の体は、日々様々な栄養素を必要としています。例えば健康な体づくりが妊娠につながる妊活中や、妊娠中、特に赤ちゃんの体が活発に形成されていく妊娠超初期、妊娠初期は、葉酸以外にも栄養バランスのとれた食事を心がけたいもの。葉酸以外にも、様々な栄養素を取る必要があるんです!<鉄>葉酸に次いで摂取が必要と周知れている「鉄」は赤血球を作るのに必要な栄養素。特に鉄とポルフィリン環により形成される「ヘム鉄」を積極的に摂取する事が大切で、ヘム鉄の方が非へム鉄より鉄としての栄養の吸収率が高いと言われています。鉄が、不足すると貧血や運動機能や認知機能の低下を招くこともあり、妊娠中は妊娠前の約3.1倍必要に。妊娠中はママから赤ちゃんに血液を通して栄養が送られるため、積極的に補いましょう。鉄分を多く含む食品牛肉、アサリ、レバー、納豆、小松菜、ナッツ類、海藻類など<ビタミンD>赤ちゃんの骨格づくりに不可欠なカルシウムの吸収を促進して、骨の育成を助けます。また、流産のリスクが下がるとも言われています。ビタミンDを多く含む食品きくらげ、いわし、かつお、卵黄 など<ビタミンB郡>ビタミンB郡はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12などが挙げられます。また、ナイアシン、パントテン酸もビタミンB郡の仲間です。慢性的に不足するとママがウェルニッケ脳症という命に関わる脳炎を起こすこともあります。<ビタミンB1>エネルギー産生に関わる栄養素。不足すると倦怠感やむくみの原因に<ビタミンB2>脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立つ<ビタミンB6>タンパク質の分解を助ける。妊娠するとタンパク質代謝が促進され、ビタミンB6が欠乏することでつわりが誘発されるという説から「ビタミンB6を補うとつわりが軽減される」という研究もある<ビタミンB12>正常な赤血球の産生、脳神経および血液細胞など、多数の体内組織の機能や発達を正常に維持するために必要な栄養素。ビタミンB郡を多く含む食品ビタミンB1:豚肉、そば、マダイ など、ビタミンB6:赤み肉、カツオ、マグロ、サケ などビタミンB2:ウナギ、ブリ、モロヘイヤなどビタミンB12:カキ、アサリ、サバ などナイアシン:たらこ、マグロ、鶏胸肉 などパントテン酸・鶏レバー、鶏ささみ肉、納豆、トマト など<ビタミンC>鉄分の吸収を助けます。特に野菜類の鉄分はそのままでは吸収されず、ビタミンCの助けを借りて体に取り込まれます。また細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンを作るためにも不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に役立つ。ビタミンCを多く含む食品パプリカ、ブロッコリー、レモン、オレンジ、いちご など<亜鉛>体内で作ることができない「必須微量ミネラル」細胞分裂を助け、赤血球作りなど、免疫細胞の働きを活性化させる、身体の成長と維持に必要な栄養素。多くの成人女性が十分に摂れていないといわれている。亜鉛を多く含む食品カキや赤身の肉、鶏肉、カニなどの魚介類、豆類、ナッツ類 など他にも・・・・・<カルシウム>赤ちゃんの骨格づくりに不可欠。日本人女性全体に不足しがちな栄養素です。摂取量が足らないと、赤ちゃんに必要なカルシウムがママの骨や歯から取られることになってしまう。カルシウムを多く含む食品乳製品や魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻類 など<マグネシウム>骨や歯の育成に必要であるほか、体内酵素の働きや血液循環などの正常化に関わるマグネシウムを多く含む食品牛乳、チーズ、水菜、モロヘイヤ、生揚げ など<ビタミンE>妊娠高血圧の原因になりうる動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあるビタミンEを多く含む食品卵、アーモンド、オリーブオイル、大豆、うなぎ、かぼちゃ など<乳酸菌>腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える乳酸菌を多く含む食品ヨールグルト、キムチ、納豆 など他にも様々な栄養素が必要になってきますが、妊活期、妊娠中、産後と、それぞれのステージにあった栄養素を見極めて摂取することが大切になってきます。これらをバランスよく食事から摂取するにはかなり難しいので、サプリメントの活用をオススメします!サプリメントを選ぶポイント葉酸は、妊娠中だけではなく、産後の授乳期にも大切な成分です。ここでは、サプリメントを選ぶポイントをお伝えいたします!ポイント①配合成分をよく確認して!まずは「必要な栄養素」で述べた栄養素をバランスよく配合されているものを選びましょう。また厚生労働省が公式に発表しているとおり、妊活中、妊娠中、産後と、ステージごとに必要な栄養量も異なります。栄養素の過不足が起こるリスクを減らすためにも、ステージごとに用意されている葉酸サプリがおすすめです。今の自分に必要な成分を見極めて、自分の時期に合ったサプリメントを選びましょう。ポイント②飲みやすさ葉酸サプリメントは。基本的に毎日飲む物です。そのため、継続して毎日無理なく続けるためには、サプリメントを摂取することが「苦痛」に感じないことが大切。特に妊娠中は匂いや味に敏感になりやすいので、錠剤の小ささ 匂いや味がないもの 1回に飲む粒数が多すぎないものに注意して選ぶといいでしょう。ポイント③葉酸の種類葉酸の種類は、先程挙げた食品などに含まれているポリグルタミン酸型(天然葉酸)と、サプリメントに含まれているモノグルタミン酸型(合成葉酸)の2種類があります。食品に含まれているポリグルタミン酸型葉酸(天然葉酸)の吸収率は、先に紹介した通り約50%。つまり、食物から摂取した葉酸は、約半分しか利用できていないことになります。サプリメントを選ぶ際には、吸収率が約85%と高めのモノグルタミン酸型葉酸のサプリメントがおすすめです。選ぶべきポイントはたくさんありますが、まずはこの3つを抑えて、自分に合った葉酸サプリメントを見つけましょう!

医師監修|葉酸とは?葉酸が必要な理由と葉酸の種類を解説!

葉酸とはどんな栄養?葉酸は、1941年にほうれん草から発見された人体に必要不可欠な成分です。水に溶けやすい水溶性のビタミンB群の一つで、ビタミンB12とともにたんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割があります。このため、赤血球の細胞の形成を助けたり、細胞の分裂や成熟にも大きく関わり、特に胎児の正常な発育にとっては重要な成分と言える為、妊活・妊娠中に大切な働きをしています。また、一度にたくさん摂っても、余った分は尿に溶け込んで体外に排出されてしまいます。貯めておくことができないので、毎日摂ることが必要なのです。そして、妊娠中は貧血になりやすいので、予防としても大切な栄養素にもなります。葉酸はいつから必要?赤ちゃんの臓器が形成される時期は妊娠3週〜8週頃とされており、ほとんどの人は妊娠を自覚していません。そして、妊娠とわかったタイミングでは、すでにお腹の中で細胞分裂が始まっています(妊娠0日目は前回の生理のタイミングなので、次の生理が分かる頃にはもう4週になっていますよね)。こうして、気付かない間に赤ちゃんの脳や脊髄の元となる神経管は形成されているのです。この事から、葉酸は「妊娠前からの摂取」が望ましいとされています。(厚生労働省では、妊娠1ヶ月以上前からの葉酸摂取を推奨しています。)なぜ葉酸が必要?葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養成分であるといえます。妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んになっており、この時期に妊婦の葉酸摂取が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることがわかってきました。器官形成異常は妊娠7週間頃までに起きると言われているので、リスクを回避するためにも、早めの摂取を心がけましょう。神経管閉鎖障害とは?子宮内の赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管に障害が起こる先天異常。神経管は板状のものの両端がくっついて閉鎖し、管状の形ができるのですが、赤ちゃんの成長とともに頭の方は脳、お尻の方は脊髄になります。先天異常とは、その一部がうまく閉じないために起こる病気です。神経管の頭側に障害が起こった場合、脳が形成不全となって「無脳症」となり、流産や死産の割合が高くなります。お尻側に障害が起きると「二分脊椎」となり、さまざまな神経障害が起こる可能性が出てきます。妊娠初期とは?妊娠4週〜15週のことを「妊娠初期」といい妊娠期間は最初の4週を除いて(3週目に着床)、以後3ヶ月単位で「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」の3つの期間に分けられます。どのくらい摂取すればいいの?妊活期と妊娠期の栄養摂取量は、実は時期によって異なる事はご存知だったでしょうか?厚生労働省が定める栄養摂取量は、実は妊活中、妊娠中、産後では異なります。時期に合わせて十分な栄養素をしっかり摂ることが大切です。ただ葉酸を摂取していればいい!と言うわけではないんです。厚生労働省の食事摂取基準によると、日本人女性の葉酸摂取推奨量は、1日240μg、妊娠中期・後期は通常の2倍の480μg、妊活中・妊娠初期はさらに多く、食事から240㎍+サプリメント等から400㎍。産後の授乳期も葉酸は340μg(妊娠前+100μg)必要と言われています。この数字は皆さんの想像より多かったですか?少なかったですか?ただし、葉酸を必要以上に摂りすぎるとビタミンB12欠乏の診断が困難になります。医師の管理下にある場合を除いて、1日の葉酸摂取量が1000μを越えないようにしましょう。※参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)より葉酸には種類があるんです(天然葉酸と合成葉酸)天然葉酸とは「天然」と聞くと、添加物が少ない、安全性が高いなどの体に良いイメージを抱く方が多いのではないでしょうか? ここでいう天然葉酸(=食事由来の葉酸)とは、⾷材に含まれる葉酸のことを指し、ポリグルタミン酸型の葉酸になります。天然葉酸とはポリグルタミン酸型葉酸のことで、ポリグルタミン葉酸はたくさんの葉酸の分子が塊になった状態で存在しており、それが消化管(⼩腸粘膜)の中でモノグルタミン酸型葉酸に分解されて始めて体内吸収されます。ですが生体利用率は合成葉酸(モノグルタミン酸型)と比べると少なく分解される途中で壊れるなどして、摂取した量の約50%程度しか吸収されなくなってしまうのです。また、⾷材に含まれる葉酸は水溶性ビタミンのため、調理などによる熱で分解されやすいという特徴もあります。合成葉酸とは『合成』と聞くとちょっと怖い・・・と感じる方も多いのでは無いでしょうか?しかし、心配する必要はありません!厚生労働省によって摂取を推奨されているのも実は合成葉酸なのです。安心ですよね!また、人体に影響を与える様な成分は含まれていません。主にサプリメントなどに含まれているのが、このモノグルタミン酸型の葉酸です。⾷材に含まれる「ポリグルタミン酸型葉酸」は、体内で「モノグルタミン酸型葉酸」に分解されないと⼩腸から吸収されず体内で使われるのは約50%ですが、合成葉酸は最初からモノグルタミン酸型です。そのため、体内に取り込みやすい合成葉酸は摂取した量の約85%を体の中で使うことができるといわれています。実は市販されているサプリメントは、ほとんどに合成葉酸が含まれているのです。天然葉酸と合成葉酸のちがい⾷材に含まれる天然葉酸は、食事から摂れるため身近であるという利点があります。ですが体内で使われる割合が⼀定ではなく、また、⾷材の収穫時期や天候によって品質にばらつきが出ることがある、という報告もあります。いっぽう、合成葉酸は天然葉酸と比較して体内でうまく使われやすいと言う特徴があり、原料の品質が常に一定に保たれるという利点があります。葉酸サプリを選ぶのがおすすめな理由 毎日、食事で野菜を摂取していれば葉酸が不足することはあまりありませんが、少し気をつけたいことがあります。それは、先に紹介した通り、葉酸が水に溶けやすく、光と熱に弱いこと。野菜を水洗いしたり火を通したりすると葉酸が分解され、効力を失ってしまうのです。葉酸が多く含まれる食べ物は、ほうれん草、モロヘイヤ、ブロッコリー、枝豆、レバー、いちごなど。緑黄色野菜以外にも、納豆やきな粉などの大豆製品にも多く含まれています。たとえば、菜の花100g(約1束)で340μg、ブロッコリー100g(約大1/2株)で210μg、納豆100g(約2パック)で120μg、いちご100g(約中7個)で90μgの葉酸が含まれています。葉酸以外のビタミンなら、調理しても効力は10~20%しか失われません。それに比べて葉酸は損失が30~40%と、割合が大きいのが特徴です。さらに、食品から摂取した葉酸のうち、体内で利用できるのは50%程度といわれています。つまり、野菜の煮物や温野菜を食べても、もともと野菜に含まれていた葉酸の30%ほどしか活用できないのです。とりわけ、妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は、必要な葉酸の量が普段の約1.8倍になる為、食品から摂取できる葉酸量だけでは十分ではない場合が多くなります。この事より、普段の食生活からではうまく葉酸の栄養素を摂取できないため、厚生労働省ではサプリメントでの摂取(モノグルミン酸型葉酸)を推奨しています。また、必要とされています。ステージに合わせて、葉酸や栄養素の摂取量をうまく調整していきましょう。妊活期と妊娠期、産後では必要な栄養素は違う!厚生労働省が定める栄養摂取量は妊活〜産後の時期ごとにそれぞれ異なります。時期に合わせて適切な栄養素を摂ることが大切です。その為、妊活期から産後・授乳期まで同じ葉酸を同じ分量で摂取し続けると、栄養素不足になったり、過剰摂取になったりする可能性もあります。 また、妊活期、妊娠中、産後・授乳期の各時期に女性のからだの状態は下記図の様に変わっていきます。その変化に伴い、お悩みも時期ごとに変化します。この様に、妊活期、妊娠期、産後・授乳期の時期別に変化する必要な栄養素や悩みを意識した生活が必要となってきており、非常に手間や負担がかかります。適切なサプリメント選びや食生活を心がけて、健全な心身を保っていきましょう!