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葉酸以外に必要な栄養素「鉄分」

鉄はどんな栄養? 鉄とは、血液の主成分である赤血球に含まれる赤色素タンパク質「ヘモグロビン」の構成に必要なミネラルの一種です。「鉄(ヘム)」と「タンパク質(グロビン)」が結合したものなので、ヘモグロビンという名前がつけられました。そもそも赤血球の働きとは、赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素分子と結びつき、体中に新鮮な酸素を運ぶことです。そのため、体内の鉄分が不足するとヘモグロビンの数が減り、体中に十分な酸素を運ぶことができません。この状態を「鉄欠乏性貧血」といいます。鉄欠乏性貧血になると、運動機能や認知機能の低下、食欲不振などを招くことがあるため、どの人も適切な量の鉄を摂取する必要があるでしょう。必要な鉄分量は性別や妊娠・授乳の有無、月経の有無などの条件によって異なります。特に妊娠中は、母体の血液量が増加したり、胎児の成長にも鉄分が必要だったりと、妊娠前より多くの鉄が必要です。鉄分は体内で生成することができないので、日々の食事で積極的に補いましょう。人間は体重60kgの男性で約3g、体重50kgの女性で約2.5gの鉄を体の中に持っており、そのうち約66.7%はヘモグロビンに、10%は筋肉(ミオグロビン)に、残りは肝臓、脾臓、骨髄、腸にそれぞれ蓄積されています。このように、鉄は人間の体にとって重要な栄養素なので、すぐに取り出せるように貯蔵されていたり、再利用されたりするのです。しかし、成人男性で1日1mg程度の鉄が尿や便から排出されてしまうため、鉄の摂取が行われないと貯蔵された鉄を使うことになり、貯蔵された鉄が少なくなると貧血を起こす可能性があります。そのため、毎日食べ物から鉄分を摂取することが望ましいのです。しかし、食事で10gの鉄を摂取しても、吸収されるのはその1割程度なので、毎日の食事だけで適量の鉄を摂取することはなかなか難しいといわれています。鉄の役割は?鉄の最も有名な役割のひとつに、“赤血球内のヘモグロビンを構成すること”があります。私たちは絶えず呼吸を行って「酸素」を体の中に取り込み、その酸素が生きていくためのエネルギーをたくさん作り出すことで、日々活動ができています。酸素を体の隅々まで運んでくれるのが、血液の主成分である赤血球です。赤血球は酸素を運ぶトラックにたとえることができ、ヘモグロビンは酸素が座る座席とすることができます。ヘモグロビンは鉄とタンパク質から成り立っているので、もし鉄が不足してしまうと、ヘモグロビンの量が減ってしまい、酸素を効率良く配達することができなくなるのです。また、鉄は骨格筋や心筋で酸素の配達および貯蔵をしている「ミオグロビン」というタンパク質や、エネルギーを効率的に生み出す「チトクローム(シトクローム)」という酵素の一部としても役立っています。このように、鉄は生命を維持するために不可欠なエネルギーの生成や子どもの発育に大きく関わっているのです。鉄はいつ必要?エネルギー生成に必要な酸素の運搬に一役買う鉄分は、老若男女問わず必要な鉄ですが、妊娠中期~後期の女性にとって特に大切な栄養素です。その理由は2つあります。1. 妊娠中の女性は血液量が増えるから2.母体から胎児へ鉄を供給する必要があるから妊娠5カ月~7カ月(16週~27週)を「妊娠中期」、8カ月~10カ月(28週~39週)を「妊娠後期」といい、お腹の中で赤ちゃんがどんどん大きくなってくる時期です。妊娠中の女性は、血液量が増加し、28週〜36週頃には妊娠前の1.5倍の血液量になっているといわれています。血液量の増加に伴い、赤血球も増やす必要があるため、妊娠していないときよりも多くの鉄が必要になるのです。また、妊娠後期には、赤ちゃんの成長に鉄が必要だったり、母体の臍帯と胎盤に鉄を貯蔵したりと、赤ちゃんが元気に育つためにも鉄は使われます。そのため、妊娠初期に比べて妊娠中期~後期では2倍以上の鉄が必要になるのです。鉄はどれぐらい摂取すればいいの? 日本人の食事摂取基準(2020年版)より作成厚生労働省が発表している鉄の食事摂取基準の推奨目安は、30代の女性(妊娠なし・月経あり)の場合、1日10.5mgになっています。妊娠初期は少なめの9mgですが、これは妊娠中は月経が止まり、赤ちゃんもまだ小さく多くの鉄を必要としないためです。そして、妊娠中期〜後期は、必要な量が16mgまで増加しています。しかし、30代女性の食事摂取による平均鉄摂取量は6.8mgと発表されており、必要摂取量を大きく下回っているのが現状です。また、妊婦でも16mg必要な鉄が、実際は6.3mgしか摂取できていないという結果に。妊娠中に鉄分が不足すると、母体や胎児の死亡リスクや早産、体出生体重児が生まれるリスクが上昇すると発表されています。鉄は体内で作ることができず、食べ物から摂取することしかできないため、積極的に鉄分を含む食べ物を食べておきたいですね。ただ、鉄分は体内吸収率があまり良くないため、鉄分を含むサプリメントでの摂取も検討してみると良いでしょう。鉄の種類(ヘム鉄と非ヘム鉄の違い)鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、「ヘム鉄」は動物性食品(牛や豚、鶏、魚など)に、「非ヘム鉄」は植物性食品(ほうれん草や小松菜、プルーンなど)に、それぞれ含まれています。この2種類は、体内での吸収率が大きく異なり、「ヘム鉄」の吸収率は10~20%、「非ヘム鉄」は2~5%です。「じゃあ、ヘム鉄だけ摂ったらいいの?」と思われるかもしれませんが、2種類の鉄分の違いを理解し、どちらの鉄分もバランス良く摂るようにしましょう。ヘム鉄鉄とポルフィリン環により形成される「ヘム鉄」。ヘム鉄はもともとタンパク質にくるまれて吸収されやすい形になっているので、比較的吸収されやすいのが特徴です。動物性食品はヘム鉄を多く含み、そのなかでもレバーや赤身肉など、濃い色の肉には比較的鉄が多く含まれています。また、赤身の魚や、あさりの水煮などの貝類にも、鉄が多く含まれているので、いろんな食べ物から摂取したいですね。【ヘム鉄が多く含まれる食品】・豚レバー ・鶏レバー ・牛レバー ・牛ヒレ肉 ・カツオ ・マイワシ ・鶏卵 ・あさり ・カキ  など非ヘム鉄非ヘム鉄の吸収率は、ヘム鉄と比べると低いのが特徴です。しかし、ビタミンCや動物性タンパク質、クエン酸といっしょに摂ると、吸収率がアップするという研究結果がでています。摂り方を工夫することで、効率良く鉄分を摂取しましょう。非ヘム鉄が多く含まれている食べ物は、野菜のほかにも日本食でよく食べられている豆類や海藻類があります。【非ヘム鉄が多く含まれる食品】・小松菜 ・ほうれん草 ・枝豆・そら豆 ・乾燥ひじき ・豆乳 ・厚揚げ など鉄分を効率良く摂取するには?非ヘム鉄でも少しお話しましたが、鉄分の吸収率をアップさせるためには、鉄分の吸収を助ける食べ物といっしょに食べることと、吸収を妨げる食べ物をいっしょに食べないことの2つが大切です。鉄分と一緒に、牛乳などに含まれるタンパク質「CPP(カゼインホスホペプタイド)」をいっしょに摂ると、タンパク質が鉄と結びつき、腸での吸収を促進させる効果が期待できます。また、野菜や果物に多く含まれるビタミンCには、還元作用で鉄を吸収されやすい状態に変える効果があり、クエン酸などの果実酸もまた、「キレート作用」という、鉄分などのミネラルを包み込んで吸収しやすくしてくれる効果があります。一方、紅茶、コーヒー、緑茶などに含まれる「タンニン」、ライ麦や玄米に含まれる「フィチン酸」、イモ類やきのこ類などに含まれる「非水溶性食物繊維」は、非ヘム鉄の吸収を妨げるといわれています。(ヘム鉄の場合は気にしなくてよいという意見もあります。)可能であれば、メニューを工夫して効率的な鉄分摂取ができるのが望ましいでしょう。鉄が不足すると・・・妊娠中はもちろん、妊活期、産後など、どのステージでも大切になってくる「鉄」。妊娠期には鉄の基本的損失に加え、胎児の成長に伴う鉄の貯蔵や赤血球量の増加による鉄需要が高まり、鉄の必要量が増加します。鉄分の不足は、「原因はよくわからないが、なんとなく体調が悪い」という不定愁訴(ふていしゅうそ)と深く関係しています。また、妊娠中や産後での鉄不足は、早産や出産後の発育などに影響が出る危険性が高まり、産後うつにも深く関わりがあるといわれています。鉄が不足することで赤血球のヘモグロビンの数が減少し、酸素が十分に運べなくなるとなるのが「鉄欠乏性貧血」です。鉄欠乏性貧血では、以下の症状が挙げられます。・動悸・めまい・肩こり・頭痛・肌のかさつき・口内炎や口角炎・抜け毛や枝毛 などまた、精神発達にとっても重要な栄養素なので、以下のような症状も出ます。・注意力の低下、イライラ感・食欲不振・抑うつ感当てはまる症状はありませんか?食材に含まれる、非ヘム鉄とヘム鉄の特性を理解していても「調理するのがなかなか難しい」という方もきっと多いでしょう。きちんと摂取しているつもりでも、実はうまく吸収できずに不足していることもあるため注意が必要です。特に妊娠中に貧血を引き起こすと、お腹の中の赤ちゃんに影響がでることがあるので、健康な身体を維持できるよう心がけましょう。貧血が起きると・・・先ほどもお伝えした通り、妊娠中は多くの鉄が必要となり、想像以上に鉄が消費されています。体内の鉄は、摂取してもすぐには増えない仕組みになっていて、体内の鉄を増やすために数ヶ月〜1年もかかります。そのため、妊娠前と妊娠初期〜後期の鉄欠乏の予防はとても重要です。鉄が不足すると、貧血になりますが、初めは無症状の人も多く、気がつきにくいかもしれません。鉄欠乏が進んでいくと、動機やめまい、息切れ、頭痛、倦怠感などの自己症状が表れ、重度の貧血になると「妊娠高血圧症候群」へのリスクが高まり、「分娩時の出欠量の増加」や「産後の回復が遅くなる」、「母乳の出が悪くなる」などの症状がでる可能性があります。また、胎児の発達や早産のリスクも高まるでしょう。出産では母体から多くの血液が失われるため、貧血はさらに悪化することが予想されます。その結果、産後うつを発症する可能性もあるのです。鉄不足は母体だけでなく、子どもへの影響も大きくなります。通常、赤ちゃんは生後~6カ月までで使う鉄分を貯蔵して生まれてきますが、母体の鉄が不足していると、生まれてきた赤ちゃんに貯蔵されている鉄が少ない可能性もあるのです。出産後の「乳児期」は、一生の中で最も細胞が増える時期といわれており、脳神経はこの時期に形成されていきます。神経細胞形成には鉄が不可欠で、この時期に鉄などの栄養素不足で神経細胞がうまく形成されないと、認知発達障害や行動発達障害が残る可能性があると考えられています。ママ自身や生まれてくる赤ちゃんのためにも、鉄分を積極的に摂取できる食生活を心がけましょう。食事で鉄分を摂取しきれないときは、サプリメントでの摂取も検討してみてくださいね。まとめ妊娠中の女性と赤ちゃんにとって、特に重要な栄養素である「鉄分」。鉄分が不足すると、酸素を体中に運んでくれるヘモグロビンの数が減り、その結果引き起こるのが鉄欠乏性貧血です。妊娠中に貧血になると、動機やめまいといった日常生活に支障をきたすものから、胎児の発達遅延や早産のリスクも高まります。妊娠中は特に鉄分が必要なため、きちんと摂取しているつもりでも、気づかないうちに鉄不足になっていることも多いので注意が必要です。食事に気をつけ、サプリメントで上手く補いながら、効率的に鉄分を摂取すると良いでしょう。参考文献市立御前崎総合病院コラムe‐ヘルスネット「鉄」e‐ヘルスネット「Hb」日本人の食事摂取基準(2020年版)eJIM「鉄」東京都国民健康保険団体連合会

葉酸以外に必要な栄養素「DHA」

DHAはどんな栄養素?「日本人の食事摂取基準(2020年版)脂質」を元に作成まずは、DHAとは何なのかを紐といていきましょう。DHAの正式名称は「ドコサヘキサエン酸」といい、不飽和脂肪酸のひとつです。脂肪酸とは、脂質の主な構成要素で、動物性の脂肪に含まれる「飽和脂肪酸」と、植物や魚の脂肪に含まれる「不飽和脂肪酸」の2種類から成り立っています。さらに、不飽和脂肪酸には「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」があり、DHAは多価不飽和脂肪酸の「n-3系脂肪酸(通称:オメガ3)」に分類されている栄養素です。DHAは、脳や神経細胞、精子などに多く存在し、記憶力や血流の改善、アレルギーの予防などに効果があるといわれています。「脂肪」や「脂質」と聞くと、「太る」「体に悪い」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、脂質は「糖質」と「タンパク質」に並ぶ3大栄養素のひとつであり、活動のエネルギー源体となったり、細胞膜や核膜を作ったりする、とても大切な栄養素です。脂質のイメージの悪さは、肉や乳製品などの飽和脂肪酸の摂りすぎによる肥満や病気といった健康リスクや、マーガリンなどに含まれ、極力摂取しないほうが良いとされているトランス脂肪酸に由来していると推測できます。つまり、トランス脂肪酸以外の脂質を適量に摂取することは体にとって好ましい状態なのです。さらに、DHAは脳の活性化を促したり、動脈硬化や血栓を防いだり、脂肪燃焼を促したりするなど、さまざまな効果が期待できるため、積極的に摂りたい栄養素といえるでしょう。また、DHAは「必須脂肪酸」と呼ばれる体の中で合成することができない栄養素なので、食事から摂る以外、体の中に入れることはできません。DHAを含む食べ物を知り、選ぶことで積極的に摂取しましょう。DHAの役割は?次に、DHAの持つ役割について詳しく見てみましょう。【DHAの持つ役割】・脳の神経細胞の情報伝達を促す・体内の免疫反応を調整する・脂肪燃焼を促す・血管壁の細胞膜を柔らかくする多くの人が持つ「DHAを摂れば頭が良くなる」というイメージは、DHAの“脳の神経細胞の情報伝達を促す”という役割から来ているのがお分かりいただけるでしょう。そのほかにも、血液の流れを正常に保ったり、脂肪を燃焼させたりと、体にさまざまな良い影響がある栄養素なのです。そのため、DHAを適切に摂取し続けると・アレルギー疾患・皮膚炎・肥満・高血圧・動脈硬化・記憶力や認知能力などの予防と改善に効果が期待できるといわれています。DHAの役割を聞くと、「大人こそ摂りたい栄養素だな」と思われるかもしれませんが、胎児や乳幼児といった子供にとっても、DHAは脳や神経の発達に必要な大切な栄養素のひとつです。さらに、妊娠期にDHAを含むオメガ3脂肪酸を追加摂取することで、早期産児数が減少したり、低出生体重児が生まれる確率が低下したりする可能性があるという研究結果もでています。DHAはいつ必要?DHAは、脳細胞の活性化や血流の改善が期待できるなど、さまざまな働きを持つため、どの年代の人でも積極的に摂りたい栄養素のひとつです。特に胎児発生期間や胎児発育期間の妊婦の方と授乳期の女性は、積極的に摂取すると良いでしょう。前述したように、妊娠期にDHAを摂ることで、早産や低体重児出産のリスクを下げる効果が期待でき、また授乳期の母親が摂取することで母乳中のDHA濃度が高まり、栄養価の高い母乳を赤ちゃんに届けることができます。DHAが胎児や乳児期の赤ちゃんの成長に大切な栄養素であることは生物学的に証明されており、DHAが栄養補助成分として添加されている乳児用ミルクも多く販売されています。妊娠中や授乳中の女性は、必要カロリー内に収まるように摂取することを目指しましょう。ただし、人体や胎児に害を及ぼす可能性があるメチル水銀の含有量が低い海産物などから摂取するなど、どの食べ物から摂取するかも大切です。DHAはどれくらい摂取すればいいの?目安となる摂取量は?DHAのみでの食事摂取基準値は決められていませんが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、DHA・EPA・DPA・α-リノレン酸を合わせたn-3系脂肪酸としての目安量が示されています。1日の摂取目安量:30~49歳女性…1.6g/日(授乳婦は1.8g/日)さまざまな種類の海産物を、週に8から12オンス(約224gから336g)ほど摂取することが望ましいとされています。文部科学省の「日本食品表示成分表2020年版」を見てみると、スーパーでよく売られているサバの水煮缶は、可食部100gに対しDHAが1.3g含まれています。メーカーによって差はありますが、サバ缶は1缶につき内容量が150g〜200gのものが主流なので、1日にサバ缶を2/3〜1缶程度食べれば、授乳中の女性であっても1日のDHA摂取目安量を十分達成できそうですね。何を食べたら良いの?DHAは脂肪が多い魚や甲殻類に多く含まれています。【DHAを含む食べ物の一例】脂肪が多い魚:サバ、マグロ、いわし、サンマ、マスなど甲殻類:カニ、ムール貝、牡蠣などサバ類やいわし類といった青魚には、DHAが多く含まれていると覚えておきましょう。旬のものには栄養価が多く含まれているので、秋はサンマやサバ、いわし、冬はマグロというように、新鮮な旬のものを積極的に摂りたいですね。DHAは熱に弱いため、お刺身として食べるのがおすすめです。手軽に手に入り、調理せずに食べられるサバやいわしの缶詰も常備しておくと便利でしょう。サバやいわしの缶詰に入っている汁にも、DHAが含まれています。汁は、もちろんそのまま飲んでも大丈夫ですが、味噌汁のだし汁やパスタや炒め物でも使えるため、捨てずに活用すれば効率良く摂取できますね。また、DHAは酸化しやすいので、抗酸化作用のあるビタミンCやEと一緒に摂るのが理想的です。海産物でDHAを摂取する際に注意してほしいのが、メチル水銀の含有量。メチル水銀は食物連鎖によって濃縮されていき、大型の魚の中には高濃度のメチル水銀を含んでいるものも多くいます。人が食べ物からメチル水銀を摂取すると、一定期間体内に蓄積されますが、その後尿や便などから排出されるため、普通の食事からメチル水銀の影響を受けることはほぼありません。しかし、大量のメチル水銀を妊娠期の女性が摂取した場合、摂取したメチル水銀が母体を通じて胎児にまで届いてしまい、神経の発達に影響を及ぼす可能性があります。そのため、妊娠中や授乳中の女性は、白マグロ(ビンナガマグロ)なら週に6オンス(約168g)以内が摂取目安とされています。また、メチル水銀を多く含むアマダイ、メカジキ、サメ、キングマッカレルなどは食べるべきではありません。「毎日青魚ばかり食べられない」「そうはいってもメチル水銀が不安」「つわりで魚の匂いが気になる」という人は、サプリメントでDHAを補うことも視野に入れると良いでしょう。DHAが不足すると(リスク)DHAは、体にとってさまざまな良い働きをしてくれるため、不足するとさまざまなリスクを引き起こす可能性があります。【DHAの不足によって起こるリスク】・血管障害・中性脂肪の増加・皮膚炎・記憶力や学習能力の低下・胎児・乳児期の脳の発育に影響上記のように、さまざまな健康障害や発達に影響が起こる可能性があります。妊娠期や授乳期を始め、DHAはどの年代でも積極的に摂っていきたい栄養素であるということがお分かりいただけるでしょう。食生活を見直すと共に、サプリメントでの摂取も検討しながら、効率良くDHAを摂取し、母子共に健康な体を目指しましょう。まとめ脳細胞の活性化や脂肪燃焼の促進だけでなく、胎児や乳児の脳の発達に影響を与え、早産や低体重児出産の確率を低下させる可能性もあるDHA。しかし、DHAは体内で作ることができないため、食事から摂取することが不可欠です。DHAは青魚に多く含まれますが、青魚の中には人体や胎児に害を及ぼすメチル水銀を多く含むものもあるため、食べ物を選ぶ際は気をつけなくてはなりません。食事にも気を配りつつ、足りない部分はDHAのサプリメントで補うのもひとつの手段といえるでしょう。参考文献・e‐ヘルスネット「不飽和脂肪酸」・株式会社食環境衛生研究所「食環研コラム」・農林水産省「脂質による健康影響」・eJIM「オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと」・コクラン「妊娠期のオメガ3脂肪酸の追加摂取」・日本人の食事摂取基準(2020年版)・文部科学省「日本食品表示成分表2020年版」・内閣府 食品安全委員会事務局「食品から摂取する水銀と、その人体への影響とは?」 

葉酸以外に必要な栄養素「亜鉛」

亜鉛はどんな栄養素?体内には特別な亜鉛の貯蔵システムがなく、亜鉛を作り出すこともできません。そのため定常状態を維持するためには亜鉛を毎日摂取することが必要です。亜鉛は多くの食物に含まれますが、サプリメントで摂取することもできます。風邪薬として販売されている多くの風邪用トローチや一部の市販薬にも含まれています。亜鉛は体内に約2g含まれ、そのほとんどが筋肉と骨中に含まれます。他にも皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在します。亜鉛の役割は?亜鉛には風邪を予防する効果や、美肌・美髪効果なども期待されています。またそれだけではなく、活性酵素を抑制する効果があるため、生殖機能の老化を予防する働きもあります。亜鉛は妊活中の男女、妊娠中の女性、胎児や乳児の発育や生命維持にも非常に重要な役割を果たしているのです。健康的な体を維持することが重要であるため、免疫力を高める亜鉛は欠かせない栄養素の一つです。男性の場合は精子量の増加や、精子の運動率の低下予防といった効果があり、「精子をつくるミネラル」「セックスミネラル」とも呼ばれています。一方で、不足するとDNAが正しく分裂できず、傷のあるDNAが発生し不健全な精子が作られてしまう可能性も高まります。女性の場合、ホルモンバランスを整える、生理痛を軽減する、生理不順を改善するといった効果が期待されます。亜鉛は下垂体で作られる卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの働きを高めています。これらの働きが弱いと卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌量が低下し、卵胞の成長が遅れる、排卵が遅くなる、無排卵月経が起こる、子宮内膜の成長が不足するまたは遅くなる、子宮内膜を保つ働きが低下するリスクがあります。このように妊活中・妊娠中の女性に亜鉛は必要不可欠です。また細胞分裂が活発な胎児の成長にも重要です。亜鉛はいつ必要?もちろん妊活中の夫婦にも必要ですが、特に妊娠中の女性は、鉄分やカルシウムなどと同様に亜鉛も不足しやすくなる傾向にあります。成人女性の平均摂取量は摂取推奨量より少なく、さらに妊娠中は摂取推奨量も増えるため、亜鉛の摂取量をさらに増やす必要があります。亜鉛はどれくらい摂取すればいいの?摂取推奨量は成人女性と妊娠中の女性では異なります。また男女でも異なり、男性は女性よりも多く必要になります。亜鉛の摂取方法としては肉類、魚介類が主にあげられます。ではそれぞれどのくらい、どのように摂取したら良いのでしょうか。推奨摂取量男女ともに一日の摂取量が推奨量を下回っており、近年亜鉛不足が指摘されています。亜鉛の一日の推奨量は、成人男性では約12mg、成人女性で約9mgとされています。妊娠中・授乳中は亜鉛の必要量が増えるため、通常より2mg多く摂ることが推奨されています。しかし亜鉛の平均摂取量は成人男性で9.2mg、成人女性で7.7mgです。亜鉛を過剰摂取した場合、嘔吐、食欲不振、下痢などの体の不調を起こしてしまう可能性があるため気をつけなければなりません。鉄や銅の吸収を妨げ、貧血の原因になります。また亜鉛はクエン酸やビタミンC、動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収が高まる一方で、インスタント食品や穀類、豆類に含まれるフィチン酸やコーヒーや緑茶に含まれるタンニン、ほうれん草などに含まれるシュウ酸は吸収を妨げます。これらを摂る場合は、時間をずらすなど工夫をしましょう。亜鉛が含まれている食材亜鉛が含まれている食材として牡蠣鶏肉カニロブスターチーズなどがあります。生牡蠣は、亜鉛が100gあたり14.5mgと多く含まれていて最良の亜鉛摂取源です。赤身の肉、鶏肉、カニやロブスターなどの魚介類および朝食用栄養強化シリアル類にも亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛は肉類や魚介類などに多く含まれていますが、食物繊維や青菜に含まれるシュウ酸は亜鉛の吸収を阻害するためベジタリアン、ビーガンなどは不足しやすくなります。菜食主義者は特に多くの亜鉛を摂取する必要があります。また加工食品に多く含まれる食品添加物が、亜鉛の吸収を阻害し、亜鉛欠乏になる場合もあるため注意が必要です。亜鉛が不足すると(リスク)不足する原因は主に偏った食事や、極端なダイエット、アルコールの摂取があげられます。亜鉛が不足すると、貧血下痢脱毛皮膚炎体重減少食欲不振免疫力低下味覚障害神経感覚障害など多くの症状が現れます。また、乳児および小児の成長の遅れ生殖機能の低下男性インポテンス男性の性腺機能低下などのリスクもあるため、男女ともに妊活中、妊娠中は亜鉛は欠かせません。妊娠中の女性は特に最低限の亜鉛摂取量で妊娠が開始した場合、胎児の亜鉛必要量が多いことからも、亜鉛不足になるリスクが高くなります。まとめ亜鉛は、妊活中の夫婦、妊娠中の女性、また胎児の健康のためにも欠かせない栄養素です。食事での摂取が理想的ですが、サプリメントで摂取すれば、不足することも過剰になることもなく、必要量を「簡単に」「正確に」摂取することができます。妊活中、妊娠中だからといって、食事を気にしすぎずストレスなく摂取できるためサプリメントでの摂取がおすすめです!参考文献eJIM 厚生労働省eJIM 厚生労働省厚生労働省令和元年国民健康・栄養調査 厚生労働省“清涼飲料水評価書 亜鉛” 厚生労働省公益財団法人長寿科学振興財団“亜鉛の働きと1日の摂取量”健康長寿ネット“亜鉛”LaBelle Vie“不妊症と亜鉛”TOZAI PHARMACY GROUP“亜鉛が豊富な食べ物は?手軽にしっかり亜鉛を摂取する方法”家族の介護と健康を支える学研の情報サイト“亜鉛が多い食材は?亜鉛を多く含むおすすめレシピもご紹介”dmarket“亜鉛不足は怖い!起きる症状や原因を解説します”POWER PRODUCTION“亜鉛は男性妊活に欠かせない栄養素”elevit“亜鉛が妊婦や妊活中の男女に与える効果とは”BELTA